2012.08.26 sun

新聞1面トップ 2012年8月26日

新聞1面トップ 2012年8月26日


【リグミの解説】
時代のキーワードのひとつに「民意」があります。東日本大震災以後の状況の中で、とりわけ原発事故がもたらした影響は大きく、政府や企業、マスコミ、学識経験者といった「権威」に対して、国民が従来持っていた信頼感が大きく揺らぎました。最初は、「不信」と「不安」から自己防衛に走る傾向が強かった国民が、今年に入って攻勢に転じています。首相官邸前で毎週金曜日の夜に開催される抗議運動は、その象徴といえるものです。

朝日新聞は、全国会議員にアンケートを送付し、直接取材と合わせて6割にあたる434人から回答を得ました。野田政権が示している2030年の原発割合の3選択肢に関して、国会議員の42%が「0%支持」という結果になりました。これは興味深い傾向です。というのは、この数値が討論型世論調査の結果に近いからです。


国民的議論を謳った政府主宰の調査における「原発0%支持」は、討論型世論調査(調査後)47%、意見聴取会68%、パブリックコメント90%という結果でした。パブリックコメントと意見聴取会は、反原発を強く主張したい人々の意思が反映しやすいものと考えられるため、意見内容は参考になっても、数値そのものは偏りがあり扱いに注意が必要です。首相官邸前のデモも、国民の強い意思の表明であり、耳を傾けなければならないものですが、原発維持を支持するもう一方の人々の「声なき声」を忘れてはいけません。

一方、討論型世論調査(DP)は、通常の世論調査と同様に、原発に「賛成」「反対」にかかわらずランダムに調査対象者を選定するので、より国民の声を正確に反映したものとなります。通常の世論調査と違い、DPは、討論参加前に配布された資料による事前準備をした上で、小グループでの討論をし、さらに専門家への質疑応答をする、といったプロセスを重ねるため、じっくりとテーマに向き合うものとなります。こうした積み重ねが成功すれば、DPは「民意」を示すものとなりえます。

「民意」は、「世論」と同一のものではありません。世論は、その時々の国民の感情の総体です。一方の民意は、国民の意思です。感情と意思の間に横たわる大きな違いは、「熟議」を経ているか否かです。じっくりと議論することで、ただの感情的判断だったものが、正しい知識や多様な視点を織り込み、全体観を伴った意見に変化します。「無責任な個人的な感覚」というレベルから、「当事者として責任をもって選択する意見」へと熟成したもの。それが「民意」の本当の意味です。

では、本当の「民意」は今どこにあるのでしょうか。ヒントは、DPの「調査前」「調査後」の変化にあります。準備期間が極端に少なく、批判も多い今回のDPですが、専門家委員会も「議論の誘導はなかった」という判断を示しています。そのDPで、「原発0%支持」が41%から47%へと増えました。理由は、「討論会で話し合ったり専門家委の話を聴いた結果、原発の安全性に得心がいかない人が多かった」というものです。
(参照「本日の新聞1面トップ【8月23日】 朝日新聞記事


原発を支持するにしろ、反対するにしろ、「安全性をもっと優先せよ」というのが、「民意」ではないか。首相官邸前の「再稼働反対!」のシュプレヒコールにかき消されがちになりますが、原発の維持あるいは拡大を支持する人々も、安全性を無視した再稼働を求めてはいません。問題は、「安全」とは何か、その基準と実施プロセスの詳細にあります。政府と電力会社は、「原発は安全」という「虚構の安全装置」を社会に植え付けてきた罪を猛省する必要があります。アンケートに答えた国会議員も、答えなかった国会議員も、真の「民意」にこそ、応える責任があります。



讀賣新聞

【記事】 自民党総裁選始動へ

  • 今月29日に自民、公明両党が提出する野田首相問責決議案が可決される見込みで、その後に両党が国会審議に応じず、国会は9月8日の会期末まで休会状態となる見通しだ。これを受けて、自民党内で9月下旬の総裁選に向けた動きが本格化してきた。
  • 自民党総裁選への出馬が取りざたされている顔ぶれは以下の6人。谷垣禎一・党総裁(67)、石原伸晃・党幹事長(55)、安倍晋三・元首相(57)、石破茂・前政調会長(55)、町村信孝・元官房長官(67)、林芳正・党政調会長代理(51)。
  • 民主党も9月下旬に代表選がある。野田首相の代表任期満了に伴うもので、9月10日告示、21日投開票となる。民主、自民両党がそろって「党首選モード」に入る可能性が高い。

(YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/


朝日新聞

【記事】 国会議員42%「原発ゼロ」

  • 朝日新聞社は全国会議員に、2030年の原発割合など新しいエネルギー政策について、アンケート調査を実施した。7月下旬から衆参両院の721人に書面で質問し、2記者会見などでの取材を含め、計434人(60%)から回答を得た。
  • 野田政権が示した2030年の原発割合の3選択肢に関しては、「0%支持」=42%、「15%支持」=11%、「20~25%支持」=3%だった。東京電力福島第1原発事故を契機に「原発ゼロ」への転換を目指す意見が目立つ。各党で「0%支持」は、民主83人、自民3人、生活34人、公明4人、みんな12人、共産15人、社民10人。民主党政権が示した3選択肢への反発もあり、自民、公明両党では「その他」が6割以上を占め、民主党との違いが鮮明になった。
  • 原発の新設については、全体の60%が「認めるべきでない」とし、「認める」の5%を大きく上回った。使用済み核燃料を再処理する核燃料サイクル政策については、「廃止し、地中に直接埋める『直接処分』へ転換する」が41%に上り、「継続する」は4%にとどまった。

(朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/


毎日新聞

【記事】 髄液減少、新基準で認定

  • 交通事故で脳脊髄液減少症を発症したかが争点となった訴訟で、横浜地裁が7月、「減少症の疑いが相当程度あるといえる」と指摘し、加害者に2312万円余の賠償を命じる判決を言い渡していた。国の研究班が昨年作った新しい診断基準に沿ったもので、新基準に照らした患者の勝訴判断が明らかになったのは初めて。
  • 判決によると、2005年に神奈川県内で発生した事故で、男性(29)は自転車で自動車と衝突し、一時気を失った。検査で異常はなく、「脳しんとう症」「頸椎捻挫」と診断された。ひどい頭痛のため、髄液の漏れを止める「ブラッドパッチ」治療を受けた。ブラッドパッチに一定の効果があったことと、新基準が診断の参考と認める検査画像が複数あったことから、「確定的と認めることはできないが、疑いが相当ある」と結論づけた。
  • 新基準は、MRI(磁気共鳴画像化装置)やCT(コンピューター断層撮影)などの画像検査ごとに、どのような画像なら髄液漏れといえるかを示し、医学界の統一基準と認めれた。これまでは、国内外で3つの異なる診断基準が公表されていた。

(毎日jp http://mainichi.jp/

日経新聞

【記事】 マンション電力2割安く

  • NTTグループは、電気代を平均で2割節約できるマンション向け電力サービスを始める。顧客にピーク時の節電を促し、電力需要を分散させる「デマンドレスポンス」と呼ぶ仕組みを取り入れる。東日本大震災後、工場やオフィスに浸透しつつある電力消費抑制の手法が、住宅向けにも広がり始めた。
  • デマンドレスポンスは、電力需要が急増した場合に、発電量の拡大にのみ頼らず、需要家側の消費抑制で対応する仕組み。電気代の節約につながる料金体系の工夫などで動機づけして、ピーク時の節電を促す。NTTでは、時間帯別の料金に昼夜で最大2.5倍の差をつける。受給逼迫時には節電を呼びかけ、消費量を前日より減らした世帯には、減らした量に応じて翌月の電気代の支払いに使えるポイントを付与する。昨年7月、3000戸を対象とした実験では、電気代を平均2割抑制できたという。
  • 電力需要の6割強は既に自由化の対象になっているが、東電などの大手電力会社以外のシェアは2%程度しかない。NTTは、経産省が打ち出した節電マンションへの優遇政策などを追い風に、新サービスで家庭向け電力事業のノウハウを蓄積し、電力の全面自由化を事業機会の拡大につなげる。

(日経Web刊 http://www.nikkei.com/


東京新聞

【記事】 じわっとお灸

  • お灸を据えられる20代、30代の女性が急増している。といっても、叱責されているのではなく、ツボを刺激してもらうリラックスタイム。おしゃれなショールームも登場し、イメージも良くなっている。
  • お灸の販売大手のセネファが東京・銀座で運営する「せんねん灸ショールーム」は、白が基調のおしゃれな店内にパステルカラーの紙に包まれたお灸が並ぶ。平日の昼間にもかかわらず、女性たちが次々に訪れ、手の甲でお灸を試していた。鍼灸師によると、「最も多い症状は、肩や首の凝り。他に生理痛やめまい、肌荒れ、突発性難聴などもある」と言う。ただ若い人は、治療効果だけでなく、お灸を据えるプロセスで、静かに自分と向き合えるところも支持されているようだ。
  • お灸ブームの背景には、東日本大震災後の漠とした社会不安に対して、癒しを求める気持ちが一因となっているようだ。また、「WHO(世界保健機構)が力を入れている予防医療で、お灸が見直されていることも、若い女性に人気をもたらす流れの一環になっているのでは」と、医療ジャーナリストの福原麻紀さんは指摘する。


(TOKYO Web http://www.tokyo-np.co.jp/


【本日の新聞1面トップ記事】アーカイブ