2013.06.08 sat

「物語」でビジネスも人生もうまくいく? No.1―「物語って何?」

「物語」でビジネスも人生もうまくいく? No.1―「物語って何?」


【対談形式ストーリーボード】
 
「物語」でビジネスも人生もうまくいく?

No.1―「物語って何?」
 
 
(梅本龍夫)
ストーリーボード公開版を始めるにあたって、何のテーマのボードを最初に上げたらいいか考えました。今まで自分は何をしてきて、どうしてリグミを始めたのか。そこから始めるといいかなと思いました。
 
わかりやすいところで、株式会社リーグ・ミリオン代表者の紹介欄に「専門分野」を挙げています。「経営戦略」「経営計画」「組織人事」「能力開発」まではなんとなく想像がつくと思いますが、「発想法」になると「?」。そして・・・最後の「物語法」になると「???」。履歴書はわかりやすくないとけないのに、ちっともわかりやすくない・・・。
 
実は、自分の仕事、キャリアを振り返ると、手法として「物語」があることに気づきました。でも、「物語」って何か・・・。実は簡単に説明できそうで、できないものなんですね。そこでとりあえず辞書に頼ってみると、
 
  • 「話し語ること。また、その内容」
  • 「作者の見聞または想像を基礎に、人物・事件について叙述した散文の文学作品」(広辞苑)
 
わかったような、わからないような定義です。「物語」は、辞書で簡単に定義できるようなものじゃない。どうもそんな印象です。そこで質問です。

「物語」と聞いて、どんなイメージがわきますか?
「物語って何?」と子どもに聞かれたら、何と答えますか?


(seco)
「物語」と聞いて、空想の世界というイメージです。

「物語って何?」と子どもに聞かれたら、「いろんなことがあるけどハッピーエンドになるお話」と答えるかな~「白雪姫とかはらぺこあおむしとかね」と。


(pyanko)
「物語」というと、本や映像など何でもいいのですが、長く話が続いていくイメージがあります。「お話」「ストーリー」「物語」って、似たような意味の言葉だと思いますが、漢字で「物語」という字をながめると、一番、長いように感じるのは私だけでしょうか。
 
「物語」は、子どもに聞かれて、説明するのに困る言葉ですね。普段意識しない言葉を質問されてアタフタすることは時々あるのですが、そんな言葉です。たぶん聞かれたら、「お話が、ずーっと続いていくの」とか答えると思います。答えになっていないですね。
 
「物語」という言葉自体に、人が持つ根源的な何かがあるのかもしれません。


(梅本龍夫)
secoさん、pyankoさん、ありがとうございます。まずsecoさんのコメントに触発されたことを書きます。

「物語」=「空想の世界」。これ、すごく大事なイメージです。私たちの日常生活は、「現実の世界」ですから「物語」ではない。これが常識です。確かに、ふつう「物語」といえば、現実の生活から離れて楽しむもの、ですよね。

でも、もし私たちが実は、日常生活を「物語」を通して理解し納得しているとしたら?「現実」と思い込んでいることが、実は「空想」だったとしたら?これが「物語法」の問題提起なんですが、今はちょっと「言いっぱなし」にしておきます(スミマセン)。

「いろんなことがあるけどハッピーエンドになるお話」。これもものすごく大事です。人間が「物語」に惹かれるのは、人生やこの世界全体が結局は良い状態になる、ハッピーになれると信じたいからです。悲劇や破滅を扱う物語もありますが、圧倒的に支持されるのは、ハッピーエンドです。

「物語」は面白い!ことが大前提で、面白くない物語はまず相手にされませんよね。波乱万丈、いろいろとあるけど、最後はハッピーに終わるというのが、「面白い物語」の定番。

「ハッピーエンドの物語」が真ん中で頑張っているから、「悲劇とか破滅を扱った物語」も光るのだと思います。世の中がもし、夢も希望もない「アンハッピーな物語」ばかりになったら、「物語」は人間を勇気付けたり、元気にしたりする力を失ってしまうでしょう。

私も「ハッピーエンドの物語」、大好きです。
 



(梅本龍夫)

「物語は長く話が続いていくイメージ」というpyankoさんのコメントも、とても重要なポイントを出してくれています。でも、なんで「物語」は長く続くのでしょうか。
 
「物語」には登場人物がいます。大抵は複数の人が登場するのですが、かならず中心人物がいます。そうです、「主人公」ですね。「物語」にはかならず主人公がいます。「物語」は、簡単にいえば主人公の体験記です。たいていは脚色された架空の話ですが。
 
でも主人公が、朝起きてご飯食べて、どこかに出かけて、帰ってきて寝ました、といった記録を淡々とつけても「物語」にはなりません。「物語」は、「主人公が何かを探求するプロセス」を描写するものなんです。

そこが日記や日誌などとの違いです。何かを探し求め、いろいろと考えたり行動したり、困難にぶつかり試行錯誤し、予想外のことを体験し、それでも探し続ける。それが「物語」の動きです。
 
探しているものは簡単には見つからないものです。だから、「物語は長く話が続いていく」のです。それが優れた「物語」なら、長くても退屈しません。わくわくドキドキし、次を知りたくてページを繰ります。

「お話が、ずーっと続いていくの」と子どもに言うと、多くの子どもの目は輝きます。「探求するわくわくドキドキ」は、ちっちゃな子も大人と同じですね。いや、大人以上かもしれません!

ここでまた質問。

「物語」で探究したいテーマは何ですか?
わくわくドキドキするのはどんな内容?



(seco)
主人公が成長していく、人間成長物語。
宝さがしなんてドキドキします。


(pyanko)
「物語」で探究したいテーマは、なんだろう。真理といったら大げさでしょうか(^_^;)
 
わくわくドキドキするのは、やっぱり時間的にも空間的にも、でっかいものでしょうか。宇宙の果てまで旅をするとか、歴史物語とか、やっぱり自分が体験できないおっきな話にすごく惹かれるような気がします。



(梅本龍夫)
続きは、ストーリーボードNo.2―「探究」で。




目次