【リグミの解説】
安倍政権の支持率
新聞各紙の世論調査が揃いました。安倍内閣の支持率を比較します。東京新聞は共同通信の世論調査を引用(読売と朝日の数値等は「
リグミの解説4月16日」を参照)。
読売: 「支持する」74%(前回72%) 「支持しない」17%
朝日: 「支持する」60%(前回65%) 「支持しない」19%(前回17%)
毎日: 「支持する」66%(前回70%) 「支持しない」17%(前回14%)
日経: 「支持する」76%(前回69%) 「支持しない」16%(前回23%)
共同: 「支持する」72%(前回71%) 「支持しない」16%(前回17%)
「支持する」のレンジは60~74%、平均70%でした(前回は65~72%、平均69%)。変化ポイントは、+2、▲5、▲3、+7、+1(単純平均で+2)。読売、日経、共同が上昇傾向で70%台、逆に朝日と毎日が減少傾向で60%台でした。単純平均の支持率70%が、今の民意と想定できそうです。
夏の参院選の争点
その他で注目の質問と回答を2つ挙げます。最初が毎日新聞の「夏の参院選で一番関心のあるテーマ」です。
全体 男性 女性
- 「景気回復」 35% 38% 32%
- 「社会保障」 23% 21% 25%
- 「震災復興」 10% 9% 11%
- 「原発」 10% 8% 11%
- 「TPP」 6% 7% 5%
- 「憲法改正」 7% 10% 6%
「景気回復」が昨年末の衆院選での関心事と同じ傾向が続いています。ここに来て、自民党や日本維新の会などは「憲法改正」を議論の俎上に載せようとしており、マスコミもこの流れを追っています。特に読売は、憲法改正キャンペーンを展開し、この流れを後押ししています。しかし、毎日の調査結果を見る限り、国民の関心は高くありません。「国家の最高位の判断基準」となる憲法のあるべき姿について、わずか数ヵ月で「国民的議論」をする環境は、まだ整っていないのではないでしょうか。
なお、男女の相対的な「違い」は以下の通りです。男性は女性より、「景気回復」「TPP」「憲法改正」に関心があり、女性は男性より「社会保障」「震災復興」「原発」に関心があります。印象として、男性の方が大手マスコミの掲載記事や論調に影響されている可能性があります。男女間の「対話」をもっと行い、関心事の背景にある問題意識を掘り起こす価値がありそうです。
選挙制度改革
共同通信は、「衆院の選挙制度についてどれが良いと思いますか」という質問に以下の選択肢を用意しています。
- 比例を削減し小選挙区を重視 39.2%
- 以前のような1選挙区3~6人が当選する中選挙区 25.7%
- 小選挙区よりも比例を重視 12.1%
- 現在の小選挙区比例代表並立制 9.4%
調査に応じた有権者が、現在の選挙制度に問題を感じていることは、この回答から推測できます。ただ、より小選挙区を重視した制度を4割近い人が選択している理由は何でしょうか。得票率以上の極端の当落がより強調され、雪崩を打って大勝する政党が出る形を望んでいるのでしょうか。一方、以前の中選挙区制を求める声が2番目ですが、過去問題となった「政治腐敗」が再燃しないか検証が必要です。
昨年の衆院選での東京都の小選挙区の得票率と当落状況を見ると、「1選挙区2人当選を原則とする中選挙区」が、バランスが良いように思います。過去と現在の中間を取るアイデアですが、小選挙区比例代表並立制の調整をしようとするのと、どちらが優れているか、比較検討する価値があると考えます(参照:「
リグミの解説」2012年12月17日)。
(文責:梅本龍夫)
1. 【調査記事】 「新卒採用に企業慎重」
- 国内主要企業122社のアンケート調査によると、新卒の採用数は、「増やす」24社(19.7%)、「前年並み」62社(50.8%)、「減らす」26社(21.3%)、「未定・回答なし」10社(8.2%)―だった。
2. 【独自取材】 「道路寸断『食料、水が欲しい』」
- 中国四川省雅安市の地震による被害は、死者184人、行方不明24人、負傷者1万1826人となった。救援活動が本格化したが、道路が寸断され、食料や水が不足している。
3. 【政府広報】 「小児難病、成人患者5万人」
- 厚生労働省の全国調査によると、小児難病で20歳まで医療費が助成される「小児慢性特定疾患治療研究事業」の対象患者で、成人後も治療を続けている人が5万人近くいる。
(YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/)
1..【独自取材】 「道ふさぐ落石、救援難航」
- 中国四川省雅安市の地震の震源地では、落石が道をふさぎ、災害物資を運ぶ車やボランティアも交通規制で入れない。震源に近い竜門郷では、大半の民家が倒壊した。
2. .【独自取材】 「麻生副総理ら靖国参拝」
- 麻生副総理と古屋拉致問題相は21日、靖国神社を参拝した。新藤総務相も20日に参拝。安倍首相は21日、神前に「真榊(まさかき)」を奉納した。
3. 【独自取材】 「真冬に逆戻り」
- 21日は、低気圧と北風が重なり、東北や関東甲信越を中心に真冬並みの寒さとなった。東京都心は、最低気温5.3度で48年ぶりの寒さ。
(朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/)
1. 【世論調査】 「ネット選挙『参考に』56%」
- 20、21日の毎日新聞の世論調査によると、安倍内閣の支持率は66%(前回70%)だった。投票先を選ぶ際にネットを「大いに参考にしたい」11%、「ある程度参考にしたい」45%―だった。
2. 【独自取材】 「甲状腺検査結果を開示」
- 東京電力福島第1原発事故を受けて福島県が実施している子供の甲状腺検査の結果が、情報公開請求により開示された。県側は「プライバシー保護」を理由に公表を拒んでいた。
3. 【独自取材】 「麻生副総理が靖国参拝」
- 麻生副総理は21日、靖国神社を参拝した。本殿には進まず拝殿前で一礼する礼頭参拝。安倍首相は「真榊(まさかき)」を同神社に奉納し、21日に神前に供えられた。
(毎日jp http://mainichi.jp/)
1. 【企業広報】 「川重・三井造船、統合交渉」
- 川崎重工業と三井造船は、経営統合に向けた交渉に入る。実現すれば、連結売上高2兆円(単純合算)で三菱重工業に次ぐ規模となる。造船・重機では1960年以来の大型再編。
2. 【世論調査】 「安倍内閣支持率76%」
- 19~21日の日経新聞の世論調査によると、安倍内閣の支持率は76%(前回69%)だった。経済指標の好転が追い風となり、2001年の小泉政権以来の高水準となった。
3. 【連続企画】 「経済再生へ資金も知恵も ~金融ニッポン 第6部―地域を担う」
- アベノミクスによる経済成長期待で、地域経済にも薄明かりが差してきた。地域再生が求められる今、お金や人をつなぐ金融の役割が必要になっている。
(日経Web刊 http://www.nikkei.com/)
1. 【独自取材】 「業者の半数、経験不足」
- 介護保険で費用補助される住宅のバリアフリー改修で、業者の過半が年間受注4件以下だった。専門家は月5~10件の受注が必要と指摘しており、経験不足がトラブル多発の一因となっている。
2. .【独自取材】 「製造会社から寄付金」
- 厚生労働省の「ワクチン評価に関する小委員会」の複数の委員が、評価対象のワクチンを製造している製薬会社から寄付金などを受け取っていたことがわかった。
3. 【発表引用】 「『所得増えない』69%」
- 20、21日の共同通信の世論調査によると、安倍内閣の支持率は72.1%(前回71.1%)だった。安倍政権の経済政策で「所得が増えると思う」は24.1%、「増えないと思う」が69.2%―だった。
(TOKYO Web http://www.tokyo-np.co.jp/)
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