2013.03.07 thu

新聞1面トップ 2013年3月7日【解説】憲法とは何か

新聞1面トップ 2013年3月7日【解説】憲法とは何か


【リグミの解説】

憲法の定義
憲法とは何か。「国家存立の基本的条件を定めた根本法。国の統治権、根本的な機関、作用の大原則を定めた基礎法で、通常他の法律・命令をもって変更することを許されな
い国の最高法規」と広辞苑にあります。根本法、基礎法、最高法規というものものしい表現が連なる憲法ですが、法律を定めることを仕事とする国会の構成員である国会議員を選ぶ衆院選挙が「違憲」と判断されました。

衆院選は「違憲」
本日の新聞1面は、読売、朝日、毎日、東京がトップで、日経は2番記事で、昨年の衆院選東京1区の小選挙区選は「違憲」であったとする東京高裁の判決を報道しています。公
職選挙法は、迅速な司法判断を求めており、司法側もそれに応えると期待されていましたが、東京高裁は提訴から79日のスピード判決です。読売、朝日、毎日、東京の社説での論調を比較してみました。

読売: 「立法府は司法の警告に応えよ」
  • 国会に対する厳しい司法判断が再び示された。時間は限られている。立法府の権威を自らおとしめる、これ以上の怠慢は許されない。
朝日: 「指弾された国会の怠慢」
  • きわめてオーソドックスな判決だ。司法は期待される役割を果たすのか。主権者として、重大な関心をもって見つめていきたい。
毎日: 「国会への厳しい警鐘だ」
  •  「立法府の不作為」に対する裁判所からの強い警告だ。抜本的な定数削減や制度変更は、第3者に任すことも検討すべきだ。
東京: 「異常事態もう許されぬ」
  • 最高裁による「違憲状態」判決を無視したもので、東京高裁の論理は単純だ。議員の正当性も、”違憲議員”が作る法律にも疑問符が付く国家の異常事態だ。

第3者による改革像を
「違憲状態」で衆院選に臨み、選出された国会議員は、果たして国民の正当な代弁者と言えるのでしょうか。東京高裁は、政治状況の混乱を避けるため、選挙自体は有効と判
断しましたが、これが国会議員の憲法軽視を助長する結果になるのではないか。経営破綻したダイエーや日本航空の事例を思い出すと、「大きすぎて潰せない」といった状況認識が経営の当事者としての責任感を麻痺させ、怠慢経営を助長した面がありましたが、国会も同じことが言えます。

そもそも、選挙で選ばれる可能性が左右される選挙制度改革は、政党や国会議員の個別利益に直結するため、抜本的な改革を期待すること自体に無理があります。少なくてもこれまでの経緯は、そのことを証明する結果になっています。毎日が示唆するように、第3者による委員会を作り、客観的で本質的なな改革像を出さない限り、糊塗策以上の改革は期待できないのではないでしょうか。

憲法とは何か
東京新聞は、1面の解説で、「(国会議員は)存在自体が違憲状態だと批判されながら改憲に堂々と着手する―。この自己矛盾を感じないほど、今の国会は感覚がまひしている
」と批判しています。改憲論議をする前に、自分たちの存立基盤そのものを最高法規たる憲法を順守したものにする。それが道理だと思います。「1票の格差」は、憲法14条に規定された「法の下の平等」に反する問題です。「法の下の平等」を重視しない政治家が掲げる憲法改正で、国民の基本的人権は、どう位置付けていくのでしょうか。

リグミ・SNS内の「まじめな雑談」で憲法イメージを取り上げところ、ある参加者が政治哲学者アーレントの憲法論を紹介していました。

「憲法はあらゆる法の源泉だが、それ自体を保障してくれるもの――即ち、なぜ憲法に従わなくてはならないのか、なぜ憲法は正しいのかを保障するもの――がない」。
 
まさに今私たちは、「憲法とは何か」、という根源的な問いに、遭遇していると言えます。

(文責:梅本龍夫)





① 【司法広報】 「昨年の衆院選、違憲」

  • 東京高裁は6日、「1票の格差」が最大2.43倍となった昨年12月の衆院小選挙区選は「違憲」との判決を言い渡した。弁護士グループが東京1区の選挙無効(やり直し)を求めた訴訟に対し、「最高裁が違憲状態とした選挙区割りを是正しないまま選挙が行われたことは看過できない」と国会を批判。ただし、選挙無効の請求は棄却した。


② 【連続企画】 「事業再開、生きぬ補助金 ~復興はいま(7)」

  • 東日本大震災で被災した同業者や関連企業をまとめて支援するグループ補助金は人気があり、計3454億円の交付が決定している。ただ実際に支払われたのは約4割にとどまる。土地利用が定まらないなど、自治体の復興計画が遅れているためだ。


③ 【政府広報】 「薬ネット販売『全面解禁』」

  • 政府の規制改革会議は、一般用医薬品のインターネット販売の全面解禁を打ち出す方針を固めた。厚生労働省に、全面解禁を前提とした仕組みづくりと、薬事法の改正を求める方針だ。


(YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/
 





① 【司法広報】 「一票の格差、違憲」

  • 東京高裁は6日、「1票の格差」が最大2.43倍となった昨年12月の衆院小選挙区選は「違憲」との判決を言い渡した。弁護士グループが選挙無効(やり直し)を求めた訴訟に対し、「投票価値の平等に反している」と判断した。ただし、選挙無効の請求は棄却した。弁護士グループは、最高裁に上告した。


② 【政府広報】 「住宅復興、政権が工程表」

  • 政権は、東日本大震災で被災した住宅の再建や街づくりを進める「住まいの復興工程表」を初めてまとめた。自治体ごとにまとめていた災害公営住宅(復興住宅)の計画を、政権が工程表でチェックすることで、遅れている整備計画を加速させる。


③ 【連続企画】 「脱原発の針、逆戻り ~3.11後、日本は(中)」

  • 自民党は、1950年代から一貫して原発を推進してきた。2011年3月の東京電力福島第1原発事故で、石破茂・自民党政調会長(当時)は、「自民党の原子力政策のどこが間違っていたのかを検証する」と語り、党内に特命委員会を作ったが、熱意は1年も続かなかった。昨年12月に出した中間報告に「反省」はなかった。


(朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/
 





① 【司法広報】 「昨年衆院選は違憲」

  • 東京高裁は6日、「1票の格差」を是正しないまま実施された昨年12月の衆院小選挙区選は「違憲」と判断した。東京都の有権者が、東京1区の選挙無効を求めた訴訟に対する判決。「事情判決の法理」に従い、選挙無効とした場合の不都合や、法改正をしている事情をおり込み、選挙自体は有効とした。原告は、最高裁に上告した。


② 【独自取材】 「オスプレイ本土で訓練」

  • 米軍のMV22オスプレイの本土初の飛行訓練が6日、「オレンジルート」(和歌山県と四国地方を通過)で始まった。小野寺防衛相は「今日、初めて本土における飛行訓練となった。運行の安全をさらに徹底するよう米側に申し入れたい」と語った。


③ 【連続企画】 「仮設商店街を延長 ~東日本大震災2年」

  • 宮城県と同県石巻市、大崎市は、東日本大震災の被災地に建てられた仮設商店街、工場、学校などの住宅以外の応急仮設建築物について、存続期間の延長を求め、国に復興特区を申請する。対象は、少なくとも100件に上る見込み。


(毎日jp http://mainichi.jp/
 





① 【独自取材】 「米株高、3つの原動力」

  • 米国発の金融危機から5年経ち、米国のダウ工業株30種平均が過去最高値を更新した。要因は3つ。(1)グローバル米国企業の復活、(2)シェールガス革命によるエネルギー需給の激変、(3)未曾有の金融緩和―。ただ、各国の主要中央銀行がそろって量的緩和に進み、行き場に困った緩和マネーが米国株の最高値を押し上げているともいえる。


② 【司法広報】 「昨年の衆院選『違憲』」

  • 東京高裁は6日、「1票の格差」が最大2.43倍となった昨年12月の衆院小選挙区選について、弁護士グループが東京1区の選挙無効を求めた訴訟に対し、違憲と判断した。難波裁判長は、「最高裁が違憲状態とした後も、是正しなかったのは見過ごせない」と述べた。ただし、選挙無効の請求は棄却した。原告側は、ただちに上告した。


③ 【企業広報】 「日産・ホンダ満額回答へ」

  • 日産自動車は、2013年春の労使交渉で一時金要求に満額回答する方針を固めた。ホンダと富士重工も一時金に満額回答する見通し。交渉中のトヨタも満額回答する公算が大きい。アベノミクスによる円高修正で業績改善期待が高まっていることと、組合員の士気向上を重視するため。


(日経Web刊 http://www.nikkei.com/
 





① 【司法広報】 「昨年衆院選は『違憲』」

  • 東京高裁は6日、「1票の格差」が最大2.43倍となった昨年12月の衆院小選挙区選について、弁護士グループが東京1区の選挙無効を求めた訴訟に対し、違憲と判断した。難波裁判長は、「投票価値の平等に反し、合理的期間内で是正されなかった」と述べた。ただし、選挙無効の請求は認めなかった。原告側は、即日上告した。


② 【独自取材】 「浪江バッジ、胸に訴える」

  • 3.11集団訴訟に参加する、福間県浪江町から千葉県に避難する男性(82)は、「渓谷が美しく自然豊かな土地」と故郷への思いを口にするが、自宅に戻るめどは立たない。それにもかかわらず、原発が再稼働するのを見て、「筋でねぇ。まず原発を止めねぇと」と語る。「このままだと日本がおかしくなる」との思いから訴訟に参加した。

 
③ 【発表引用】 「上野パンダ、子づくりへ『恋鳴き』」

  • 上野動物園は6日、ジャイアントパンダのリーリー(雄)とシンシン(雌)に発情の兆候が見られるとして、7日から展示を中止すると発表した。福田園長は、「2頭は相性が良く、今年も期待できる」と二世誕生の可能性について語った。

(TOKYO Web http://www.tokyo-np.co.jp/)




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