2013.03.04 mon

新聞1面トップ 2013年3月4日【解説】政治の進化

新聞1面トップ 2013年3月4日【解説】政治の進化


【リグミの解説】

民主党の過去と自民党の現在
本日の新聞1面記事で、「結果」の意味を考えました。日経新聞はトップ記事で「物価上昇予測広がる」。1月に日銀が物価目標を打ち出した後に期待インフレ率が急上昇し、
1%超で定着しているという内容です。

掲載されたグラフを見ると、確かに急上昇しているように見えます。しかし同時に、昨年の1月から5月にかけても、同じように数値が急
上昇した様子が見てとれます。2011年までマイナスのインフレ期待率だったのが0.6%程度まで改善し、以後この付近で維持されていました。これを見ると、「脱デフレ」の機運は、既に民主党政権の末期に醸成されていたと推測できます。

国会答弁では、民主党議員で元外務大臣の玄葉氏が、安倍首相に対して「TPPについての文書は残していないが、民主党政権下で交渉の下ごしらえは事実上終わっていた」指摘しました。これに対して、安倍氏は「なぜ文書を残さなかったのか、政治は結果がすべてだ」と切り返しました。

自分たちの成果を強調したい民主党と、民主党の政策を否定
し「違い」を強調したい自民党という構図があります。勢いに乗る安倍首相に対して、民主党の元閣僚は「結果責任を認めない」と指摘され形となり、分の悪い悪い展開となっています。

「結果」の検証
民主党は、政権時代に何ができて何ができなかったのか、徹底検証し、その詳細を公表すべきだと思います。その際に、第三者委員会のようなものを作り、客観的に棚卸して
もらうのが有効です。それが現在の民主党の最大のミッションであり、極論すれば国会答弁で与党・安倍政権を追求するのはその後でもいいぐらいです。なぜでしょうか。それは、「政治は結果がすべてではない」からです。

なぜ日本は戦争に負けたのか。なぜ東日本大震災後に福島第1原発はレベル7の大事故を起こしたのか。1945年8月15日の棚卸と省察、そして2011年3月11の棚卸と原因責任の追求。この2つの重要な検証活動は、まったく不十分なままです。民主党は、3.11の時に政権与党でした。野党となった今、広く国民のためのミッションとして、自党の政治活動の巧拙の総合的検証をする過程で、より広く日本の政治の構造的な問題や根深い体質問題などを、浮上させてもらいたいと思います。

過去は「現在進行形」
日本に帰化した日本文学研究者のドナルド・キーン氏は、「日本は忘年会も盛んで『過去を忘れる』というのは未来志向の知恵ではある。だが、仮設住宅の被災者も原発事故
の避難者もそのまま。震災は現在進行形なのだ」と語っています(東京新聞3月3日朝刊1面)。

「過去を忘れる」のは確かにひとつの知恵ですが、「過去から学ばない」まま忘
れ去られた過ちは、かならず形を変えて繰り返されます。被災が「現在進行形」であるように、過ちの真の原因が特定されず、事故や事件や人災などが再発するリスクを抱えている状況もまた、「現在進行形」と言えます。

政治の進化のために
比喩的に言えば、革命は過去を全否定し、進化は過去の「いいとこどり」をします。政治は、継続性と革新性の織物です。それは、生物の進化のように、今あるものを継承し
ながら、改良改善を重ね、時に大きく飛躍する革新的な変化を遂げ、国家を維持発展させるものといえます。

「結果がすべての政治」は、歴史的な視点を欠き、短期の成果で
人気を取り、選挙に勝つことを目的とした政局政治に堕します。ほんものの政治は、一政権では成果を出せない長期のテーマに真剣に取り組み、国家の進化の礎を盤石にするものです。

この数年の自民党と民主党の勝敗は、一方的になりがちで、二大政党制というよりも、生き残りのチキンレースのような展開になっています。もし政治が革命ではなく、進化であるべきという考え方が正しいとすれば、両政党がすべきことはあきらかです。「過去」を忘れず、歴史の棚卸をし、「原因責任」を明らかにすること。そして、正しく認識された「過去」の延長線上に、大きく進化していく「未来」を位置づける、大きなビジョンと戦略を競って提示すること。そして、より優れたプランの実現のために、一致して取り組むことです。

(文責:梅本龍夫)





① 【独自取材】 「北海道暴風雪8人死亡」

  • 北海道内は2日から3日にかけて、急速に発達した低気圧の影響で道東を中心に暴風雪に見舞われ、立ち往生する車が続出。中標津町で5人、湧別町、網走市、富良野市のそれぞれで1人の計8人が死亡した。


② 【警察広報】 「PC遠隔操作、再逮捕」

  • 警視庁の合同捜査本部は3日、パソコン遠隔操作事件の片山祐輔・容疑者を、大阪市のホームページへの殺人予告書き込みや日本航空への爆破予告メールの疑いで再逮捕した。片山容疑者は、容疑を否認している。


③ 【連続企画】 「規制の壁、崩せるか ~復興はいま(4)」

  • 既存の規制が、復興の妨げになっている。被災企業が農地に移転したり、浸水した農地で事業しようとすると、農地法の煩雑な手続きがいる。住宅造成工事で貝塚などが見つかると、文化財保護法による調査が必要になる。


(YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/
 





① 【独自取材】 「暴風雪、8人死亡」 

  • 北海道内は2日から3日にかけて、急速に発達した低気圧による暴風雪に見舞われ、立ち往生する車が続出。地吹雪で車が埋まるなどし、一酸化炭素中毒などで計8人が死亡した。道東を中心に幹線道路の多くが通行止めとなり、14市町で約千人が公共施設などに一時避難した。


② 【政府広報】 「衆院比例30減、自民案」

  • 自民党は3日、衆院の比例区定数を30減らす選挙制度改革案をまとめる方針を固めた。小選挙区比例代表制は維持する。


③ 【連続企画】 「原発避難、介護必要な人急増 ~東日本大震災2年」

  • 東日本大震災で被災した岩手県、宮城県、福島県の42市町村で、介護や支援が必要な高齢者が、約1万2千人増加した(震災前比で12%増)。特に原発周辺の福島県の5自治体では、40%以上増えた。


(朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/
 





① 【独自取材】 「北海道、暴風雪8人死亡」

  • 北海道で3日、暴風雪で計8人が死亡した。中標津町で5人、湧別町、網走市、富良野市のそれぞれで1人。オホーツク海側では、地吹雪で立ち往生する車が続出し、一時約1000人が近くの公共施設などに避難した。


② 【連続企画】 「被ばく情報、集約されず ~東日本大震災2年」

  • 福島第1原発周辺で行う除染のうち、環境省が国直轄で行う部分で、作業員ごとの被ばく線量のデータが「放射線影響協会」に全く届いていなかった。同省が事業者への指示を徹底していなかったためで、除染に関する線量管理のずさんさが明らかになった。


③ 【独自取材】 「PM2.5接触、平均3倍」

  • 北京大と環境NGO「グリーンピース」が北京の大気汚染の実態を調査したところ、PM2.5(微小粒子状物質)の接触量が、屋外業務の多い職種では当局発表の平均値の最大で3倍に達していることがわかった。


(毎日jp http://mainichi.jp/
 





① 【独自取材】 「物価上昇率予測広がる」

  • 投資家や消費者の間で物価上昇予測が広がり、市場の期待インフレ率は、1月に日銀が物価目標を打ち出した後急上昇し、1%超で定着している。ただ、多くの企業はいまだ懐疑的な見方をしており、成長戦略で経営者心理を好転できるかが、経済再生のカギとなる。


② 【政府広報】 「社員の発明、会社に権利」

  • 政府は、「知財政策ビジョン」の論点整理をまとめた。企業の研究者などの従業員の「職務発明」について、現在は従業員が保有する特許権を、出願時から企業が持つことを認める見直し案を検討する。従業員には企業に報酬を求める権利を付与し、企業が訴訟で想定外の高額支払を迫られる事態を減らす。


③ 【連続企画】 「ロシア、目算狂い焦り ~シェール革命(中)」

  • 米国は、シェールガスをテコに、2017年にも世界最大の石油・ガス生産国に躍り出る。巨大な天然ガスプロジェクトを進め、米国への輸出を目論んでいたロシアは、計画の無期延期に追い込まれた。世界経済の光景を変える状況に、プーチン大統領は焦りを隠せない。


(日経Web刊 http://www.nikkei.com/
 





① 【独自取材】 「復興予算執行、被災地滞る」

  • 東日本大震災の復興に関する2012年度の政府予算のうち、昨年4月から半年間の被災地での執行率が45.6%に留まっていることが判明した。主因は、がれき処理や放射性物質の除染の遅れ。一方、被災地以外の「全国防災対策費」は、96%が執行済みだった。


② 【独自取材】 「暴風雪、8人死亡」

  • 北海道で3日、発達した低気圧の影響で発生した暴風雪により車が相次いで立ち往生。中標津町では、車内が密閉状態となり、母子4人が一酸化炭素中毒死するなど、計8人が死亡した。


③ 【独自取材】 「即興に揺られて」

  • 東京国際文芸フェスティバルの最終日、都電荒川線の電車内で、作家のいしいしんじさんが「その場小説」に挑戦。電車から見える光景と、東日本大震災年が交錯する不思議な小説体験に、参加者から盛んな拍手が送られた。

(TOKYO Web http://www.tokyo-np.co.jp/)




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