2013.02.06 wed

新聞1面トップ 2013年2月6日【解説】挑発せず、挑発に乗らず

新聞1面トップ 2013年2月6日【解説】挑発せず、挑発に乗らず


【リグミの解説】

真意は何か
本日の新聞1面は、真意を推し量りかねる記事が2つあります。1つは、「中国艦、海自に射撃レーダー照射」(読売トップ、朝日トップ、毎日2番、日経2番、東京3番)。もう1
つは、「白川日銀総裁、来月19日辞任」(読売3番、朝日2番、毎日3番、日経4番)。

白川総裁は、「総裁、副総裁の新しい体制が同時にスタートすることが可能になるように
」と説明。政府の圧力はない、としています。しかし、中央銀行総裁が任期終了前に辞任するのは異例のことであり、外国為替市場は反応しています。マスコミが「アベノミクス」と書き立てる安倍首相の経済政策について、日銀はどう判断し、行動したのか。辞任後に白川さんの「本音」を聞いてみたい気がします。

中国艦の射撃レーダー照射については、中国側の情報や発表がないため、中央政府の指示なのか中国軍の判断なのか、現場の暴走なのか、各紙とも可能性の指摘に留まっています。ただ、レーダー照射が数分続いたことから、防衛省は現場の暴走ではなく、統制をもってなされた行為との見方をしているようです。防衛省幹部は「レーダーを照射することは明確な威嚇行為」とコメントしています。米英豪などの専門家も、「極めて危険な行為」という点で一致しているようです。

挑発に乗らない
普通に考えれば、中国軍がやっていることは「挑発」です。その意図をあえて推測すれば、尖閣諸島が位置する東シナ海で自衛隊を武力衝突させる方向に仕向け、尖閣が係争の対象だというこ
とを既定事実化しようとすることがあるのかもしれません。逆に海上自衛隊がリスク回避し、公海での中国軍と接触する頻度を下げれば、それだけ中国艦艇は自由に行動し、実質的な支配力を高められるともいえます。

そもそも公海上で、両国の軍艦が3キロという近接した距離で警戒監視をし合っていること自体が、一触即発の危険状態だといえます。現
場の難しさや緊張は、想像以上だと思いますが、「挑発には決して乗らない」というのが大原則です。

感情に流されない
話は変わりますが、社会問題になっている体罰について、プロレスラーとして活躍したスタン・ハンセンさんがインタビューに答えています(朝日新聞2月5日「オピニオン」
)。日本の体罰は、ミスや敗北を許さないサムライ精神が一因ではないかと語っています。40年ぐらい前は、米国にも体罰があったが、訴訟の対象などになり、社会的に許容されなくなったと言います。

ハンセンさん自身もスポーツで体罰を受けましたが、「怒り」しか残らなかったそうです。「いいコーチの条件とは」と聞かれて、「言葉でいい
方向性に導いていける人でしょう。技術はもちろん選手たちの動機付け、そして目前の事実を感情に流されずにしっかり見極めることが重要」と答えています。

挑発をしない
体罰はどれほど正当化しても、親や教師や指導者が激高した感情を物理的にぶつけている行為であり、冷静かつ愛情に満ちた教育・指導とは言い難いものです。体罰を受けた
子や生徒や選手は、ぶつけられた感情に対して心身を傷つけ、「怒り」や「悲しみ」など否定的な感情を引き起こされることが圧倒的に多いと思います。

ハンセンさんは、褒
めて育てるのが基本だと言っています。ポジティブな気持ちになれば、ポジティブな行動を取ります。体罰にどれだけの大義があったしても、実際にしていることは、相手の怒りなどのネガティブな感情を刺激する「挑発」に他なりません。「挑発は決してしない」というのも、大原則だと思います。

(文責:梅本龍夫)
 





① 【政府広報】 「中国艦、射撃レーダー照射」

  • 小野寺防衛相は5日、東シナ海で1月30日に警戒監視中の海上自衛隊の護衛艦「ゆうだち」に対して、中国海軍艦艇が「火器管制用レーダー照射」をしたと発表した。
  • 19日にも東シナ海で飛行中の海上自衛隊艦艇の搭載ヘリに対して、中国海軍艦艇によるレーダー照射がなされた疑いがあるとする。
  • 日本政府は、外交ルートを通して中国に抗議した。中国側が軍事衝突につながりかねない行動に出たことで、日中関係の緊張がさらに高まることは必至だ。


    ② 【連続企画】 「狙われた早朝の一瞬 ~検証アルジェリア人質事件(上)」
    ウルドカブリア・アルジェリア内相は、「技術者や従業員の国籍、居住区域の部屋割りやプラント区域の配置、警備の陣容、装備などの情報が犯人側に漏れていた」と述べた。内部情報をもとに、犯行は1ヵ月前から計画され、早朝の一瞬を狙われた。

    ③ 【政府広報】 「白川総裁、来月19日辞任」
    日銀の白川総裁は5日、安倍首相と会い、4月8日の任期満了を待たずに辞任する意向を伝えた。

     

(YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/
 





① 【政府広報】 「中国、海自に射撃レーダー」

  • 小野寺防衛相は5日、東シナ海で1月30日に海上自衛隊の護衛艦「ゆうだち」に対して、中国海軍艦艇が射撃用の火器管制レーダーを照射したと発表した。
  • さらに19日にも、中国海軍フリゲート艦から、海上自衛隊護衛艦「おおなみ」搭載で上空を飛行中だったヘリに、レーダーが照射された疑いがある。
  • 軍事衝突につながりかねない事態に対して、小野寺防衛相は「大変異常なことで一歩間違うと大変危険な状況に陥る」批判した。日本政府は、中国政府に強く抗議した。


    ② 【政府広報】 「白川日銀総裁、辞任へ」
    日銀の白川総裁は5日、安倍首相と会い、4月8日の任期満了を待たずに、3月19日で辞任する意向を伝えた。

    ③ 【政府広報】 「日本船に武装警備員」
    国土交通省は、アフリカ・ソマリア沖で頻発する海賊に対処するため、日本の商船に武装警備員を乗船できるようにする「日本船舶警備特別措置法(仮称)」の今国会への提出を目指している。

     

(朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/
 





① 【独自取材】 「脱出前、覚悟の写真」

  • アルジェリアの人質事件で、「日揮」の日本人従業員らとともに生還したフィリピン人男性従業員を取材した。男性は16日午前5時25分頃、突然爆発音を聞き、トラブルを察知した。
  • 日揮で安全対策を担当する同僚から携帯電話のテキストメッセージが届き、武装集団によるテロと知った。日本人従業員らと息を潜めて救助を待った。日本人から渡された即席麺を乾麺のままかじって食べた。
  • アルジェリア軍が救助に来て、脱出する直前、日本人の発案で家族のために集合写真を1枚残した。軍兵士に囲まれながら砂漠を進むと、武装集団との交戦が始まった。一歩一歩踏みしめ、全員無事に施設にたどり着いた。


    ② 【政府広報】 「海自艦に射撃照準」
    防衛省は5日、東シナ海の公海上で1月30日、中国海軍のフリゲート艦が警戒監視中の海上自衛隊の護衛艦に対して、射撃の照準を合わせる火器管制レーダーを照射したと発表した。

    ③ 【政府広報】 「白川総裁、辞任前倒し」
    日銀の白川総裁は5日、安倍首相と会い、4月8日の任期満了を待たずに、3月19日で辞任する意向を伝えた。

     

(毎日jp http://mainichi.jp/
 





① 【独自取材】 「車・精密に円安効果」

  • 円高の修正により、自動車や精密機械の収益が改善し始めている。一方、電気や機械業界では、中国景気の減速影響が大きく、全体の押し上げ幅はまだ小さい。
  • 円安効果で上方修正した主な企業は、以下の通り(数値は修正額)。▽トヨタ自動車=+1100億円、▽ダイハツ工業=+130億円、▽富士フィルムHD=+50億円、▽リコー=+50億円、日東電工=+40億円―。
  • 中国減速で下方修正した主な企業は、以下の通り(数値は修正額)。▽三菱電機=▲1400億円、▽日立製作所=▲700億円、▽住友商事=▲490億円、▽商船三井=▲60億円、▽旭化成=▲50億円―。


    ② 【政府広報】 「中国海軍、レーダー照射」
    小野寺防衛相は5日、東シナ海の公海上で1月30日、中国海軍の艦船が警戒監視中の海上自衛隊の護衛艦に対して、射撃の照準を合わせる火器管制レーダーを照射したと発表した。

    ③ 【企業広報】 「米出るMBO、非上場へ」
    米IT大手のデルは5日、創業者のマイケル・デル最高経営責任者(CEO)と米投資ファンドがデルの全株式を買収のうえ、非上場化すると発表した。

     

(日経Web刊 http://www.nikkei.com/
 





① 【行政広報】 「要介護度、改善で報酬」

  • 東京都品川区は、介護施設入所者の要介護度が軽くなると、施設側に奨励金を払う制度を4月から始める。
  • 自治体の要介護区分は5段階あり、要介護度が軽くなると施設が受け取る介護報酬も安くなる。品川区の新制度は、要介護度が1つ良くなるごとに月額2万円ずつ加算。この奨励金を最長12ヵ月続ける。
  • この「成果報酬制度」は、施設の経営安定と介護職員の意欲を支える狙いがある。特別養護老人ホームなど10施設が対象となる。全国的にも珍しい制度となる。


    ② 【独自取材】 「勝鬨橋、鮮やか『ハの字』」
    東京都中央区の隅田川にかかる勝鬨橋(国の重要文化財)が跳ね上がる様子を映した戦前の映像が見つかった。戦前の開閉時の映像が確認されたのは初めて。

    ③ 【政府広報】 「中国艦がレーダー照射」
    政府は5日、東シナ海の公海上で1月30日、中国海軍の艦艇が3キロ離れた公海上を航行中の海上自衛隊の護衛艦に対して、射撃の照準を合わせる火器管制レーダーを照射したと発表した。


(TOKYO Web http://www.tokyo-np.co.jp/)




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