2013.02.04 mon

新聞1面トップ 2013年2月4日【解説】「対話力」を鍛える

新聞1面トップ 2013年2月4日【解説】「対話力」を鍛える


【リグミの解説】

本日の毎日新聞は、世論調査です。記事要約にある政府・自民党関連の質問以外にも、興味深い結果が出ています。

環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の交渉に参加すべきか

「参加すべきだ」     47%     男57%  女39%
「参加すべきでない」    19%   男19%  女18%
「分からない」               32%   男22%  女40%


この調査で見る限り、世論はどちらかという積極的です。ただし、「例外なき参加」で良いのか、という争点で聞かないと、正確なところはわかりません。「分からない」が3分の1いるということが示すように、TPPはいつまで経っても、メリットとデメリットの関係が不鮮明です。安倍首相は、2月の訪米時にも、TPPについては意思表明しない予定のようです。課題を明示して公に議論することなく、ずるずると判断を先延ばしにしている政治の責任も大きいと思います。

東京でのオリンピック開催

「賛成」 72%   男76%  女68%
「反対」 21%   男18%  女23%


ロンドンオリンピック後に東京オリンピック開催に賛同する声が増えたと言われていましたが、それを後押しする調査結果です。ただし、開催地の東京都は65%だそうです。

体罰について

「一切認めるべきでない」         53%   男43%  女62%
「一定の範囲で認めてもよい」  42%   男54%  女32%


大阪の高校生が運動部の顧問に体罰を受けた直後に自殺した問題や、女子柔道の全日本監督が暴力や暴言に関してトップアスリート15人から集団告訴されるなど、日本のスポーツや教育の現場で、体罰が根強く存在していることがわかり、社会問題になっています。

マスコミは全体として、体罰容認せずの立場で報道しているように見えますが、社会には体罰容認に考え方もあると言われます。その裏付けとなる調査結果ですが、これほど拮抗していることは驚きです。特に、男性では「一定の範囲で認めてもよい」が半数を超えていることをどう判断したらいいのでしょうか。


世界の潮流
体罰問題は、現場ではいろいろな事情があり、一定の効果を上げることもあるというのが、容認派の主張だと思います。しかし、世界で起きていることを大きな潮流で見ていけば、体罰容認は時代に逆行していると見るべきでしょう。

論点がずれているという批判を覚悟で言えば、「奴隷解放」「公民権運動」「女性の参政権」「労働者の権利」といった歴史的な展開は、一方的に支配されたり、差別されたりする立場の人間の権利と保護を認めていく流れです。西欧でも、学校や家庭内における体罰は普通にあったようですが、次第に禁じるようになってきているのは、同じ考え方や価値観に基づくものになります。


「対話力」を鍛える
では親や教師がスポーツ監督は、どうやって子供や生徒や選手を指導したらいいのか。答えは、「対話」です。全日本女子柔道の園田監督は、辞任表明をした記者会見で、「指導力不足が一番の原因。(言葉で)伝える力を持っていなかった」と語りました。園田さんが、この反省に基づき、一日も早く再起することを祈念します。

女子サッカーのトップアスリートの沢穂希選手は、いずれは全日本の監督に、という声に、「自分は感覚でプレイするタイプ。言葉で説明できないので指導者に向いていない」と答えたそうです。この自覚を持っている沢さんは、指導者に押されれば、言葉による表現を一所懸命学び、りっぱな指導者になれる可能性があると感じます。


言葉の力、「対話力」を鍛えていくことが時代の要請です。強い立場で身体的、物理的力を行使できる親や教師や指導者は、その力を封印し、「対話力」によって子供たち、生徒たち、選手たちの内側に眠る無限の可能性を引き出す努力をしてもらいたいと思います。それは長い目で見れば、最大の効果を発揮しいくことになるはずです。

(文責:梅本龍夫)
 





① 【政府広報】 「がん次世代薬、国産拠点」

  • 経済産業省は、「抗体医薬品」の開発を目的とした拠点工場の新設に乗り出す。
  • 「抗体医薬品」は、人間の免疫機能の一部である「抗体」を使った医薬品。攻撃相手の目印を見分け、がん細胞など標的だけに直接作用する。化学合成で作る普通の薬剤より製造が難しい。
  • 国産拠点には、製薬会社、機器メーカー、大学が結集する。2013年度予算に約25億円を盛り込み、5年以内に新薬開発の技術確立を目指す。


    ② 【発表引用】 「市川団十郎さん死去」
    歌舞伎俳優で日本芸術院会員の十二代目市川団十郎(本名・堀越夏雄)さんが3日、肺炎のため死去した。66歳だった。

    ③ 【政府広報】 「『脱法ハーブ』摘発強化」
    自民、公明、民主3党は、麻薬に似た幻覚や興奮作用を引き起こす「脱法ハーブ」など規制のないドラッグを取り締まる議員立法のよる薬事法の改正案を、大筋でまとめた。

     

(YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/
 





① 【連続企画】 「尖閣、党新組織が手綱 ~中国軍解剖(1)」

  • 1月19日、上海の中国空軍基地から、2機の戦闘機「殲10」が緊急発進(スクランブル)し、米軍のAWACSに急接近。これに対して航空自衛隊の2機の戦闘機F15も緊急発進した。
  • 中国は、日本が尖閣を国有化した昨年9月14日以降、軍を含めた各部門が個別に動く状況を改めるため、党指導部が「中国共産党中央海洋権益維持工作指導小組」という新たな組織を立ち上げた。
  • モデルは、米国の国家安全保障会議(NSC)であり、組長は習近平総書記となる。行き過ぎた現場判断で偶発事故が起きないようにする狙いもある。


    ② 【政府広報】 「F35『例外』容認へ」
    安倍内閣は、自衛隊の次期主力戦闘機となるF35に関し、日本国内で製造した部品の輸出を、「武器輸出三原則」の例外措置として認める方針を固めた。

    ③ 【発表引用】 「市川団十郎さん死去」
    歌舞伎俳優の市川団十郎(本名・堀越夏雄)さんが3日、肺炎のため死去した。66歳だった。

     

(朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/
 





① 【世論調査】 「内閣支持上昇63%」

  • 毎日新聞は2、3両日、全国世論調査を行った。電話によるRDS調査。921人の回答を得た(回答率63%)。
  • 内閣支持率は63%で、前回調査の内閣発足時(昨年12月)から11ポイント上昇した(不支持は19%、7ポイント減少)。安倍首相の経済政策に「期待する=69%」で、「期待しない=28%」を大きく上回った。
  • 野党各党の支持率は、伸び悩んでいる。各党に支持率は、以下の通り。▽自民党=32%(前回比+1ポイント)、▽民主党=5%(-2ポイント)、▽日本維新の会=11%(-3ポイント)、▽みんなの党=6%(増減なし)、▽共産党=3%(+1ポイント)、生活の党=1%(前回なし)―。


    ② 【政府広報】 「事故調聴取書差し押さえ」
    東京電力福島第1原発事故の刑事責任の有無を捜査している検察は、政府の事故調査・検証委員会が作成した吉田昌郎・元同原発所長の「聴取書」などを差し押さえた。

    ③ 【発表引用】 「市川団十郎さん死去」
    歌舞伎界を代表する立ち役として活躍してきた十二代目市川団十郎(本名・堀越夏雄)さんが3日、肺炎のため死去した。66歳だった。

     

(毎日jp http://mainichi.jp/
 





① 【政府広報】 「電気自動車に目標価格」

  • 経済産業省は、電気自動車(EV)などのエコカーの価格低下を自動車メーカーに促す仕組みを2013年度に導入する。
  • 2013~2015年度の車両価格を、燃料費など購入後の経費を加味し、同格のガソリン車と同額にする。その年の実際の車両価格が目標価格を下回れば、差額を全額国が補助する。逆に目標価格を上回った場合は、3分の2の補助にとどめ、残りは購入者の自己負担となる。
  • 2013~2015年度で補助を段階的に下げ、2016年以降は補助金なしとなる。対象は、EV、プラグインハイブリッド車(PHV)、クリーンディーゼル。


    ② 【発表引用】 「東洋紡、フィルム量産」
    慶応義塾大学の小池康弘教授らは、液晶ディスプレイに組み込むだけで、有機ELを超える画質を実現できるフィルムを開発した。今の液晶ディスプレイよりもコストも抑えられる。東洋紡が、4月にも量産を開始する。

    ③ 【発表引用】 「市川団十郎さん死去」
    国際的にも人気を集めた市川団十郎(本名・堀越夏雄)さんが3日、肺炎のため死去した。66歳だった。

     

(日経Web刊 http://www.nikkei.com/
 





① 【発表引用】 「市川團十郎さん死去」

  • 江戸歌舞伎を代表する市川宗家の十二代目となる歌舞伎役者の市川團十郎(本名・堀越夏雄)さんが3日、肺炎のため死去した。66歳だった。
  • 十一代市川團十郎の長男。23歳で十代市川海老蔵を襲名、38歳の時に「勧進帳」の弁慶、「助六」の助六などで十二代團十郎を襲名した。伝統の「荒事」を大きくおおらかに演じた。
  • 2004年に白血病を発症。抗がん剤治療などで寛解し、パリ公演で復帰したが、翌年再発。壮絶な治療を繰り返し、2009年に完全復帰。最近の体調は順調だったが、昨年12月に風邪をこじらせ途中休演した。中村勘三郎さんも急逝しており、歌舞伎界は相次いで大黒柱を失った。


    ② 【独自取材】 「点字絵本、広がれ」
    小学館、偕成社、こぐま社は、3社が協力する同時刊行企画で、視覚障害のある人が手で触りながら読める点字付きの絵本を広めようとしている。

    ③ 【行政広報】 「千代田区長、石川氏4選」
    東京都千代田区長選は3日、投開票され、無所属現職の石川雅己氏(71)が、自民・公明推薦の候補など4人を退け、4選を果たした。


(TOKYO Web http://www.tokyo-np.co.jp/)




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