2012.05.22 tue

新聞1面トップ 2012年5月22日

新聞1面トップ 2012年5月22日


讀賣新聞

ルネサスの人員削減を伝える記事

  • 半導体大手のルネサステクノロジーは、全従業員の15%にあたる6000人の人員を削減する方向。新規採用の抑制、退職者の増加、希望退職の募集などの組み合わせで実施する。
  • 同時に、500億規模の第三者割当増資を実施し、経営を立て直す。増資は、出身母体である日立製作所、三菱電機、NECに要請する見通し。
  • 米国企業による買収が決まったエルピーダメモリに続き、ルネサスも大規模な人身削減を決定したことで、日本の半導体産業が直面する厳しい状況が浮き彫りになった。

(YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/


朝日新聞

薬事行政監視の遅れを伝える記事

  • 政府は、薬害を防ぐために医薬品行政を監視する第三者機関を創設する法案の今国会提出を断念した。
  • 第三者機関は、薬害肝炎を検証する委員会が、2010年に提言したもの。独立性を担保するために既存の審議会とは別に設立すべきという趣旨で、薬害エイズやサリドマイド、イレッサなどの被害者団体も求めている。
  • 民主党の歴代厚労相が、2012年の国会に法案を提出すると明言してきたが、守られない公算が大きくなった。

【リグミから一言】なぜ医薬品行政の第三者機関の設定に何年もかかるのでしょうか。朝日新聞は、「厚労省が自らの責任で、自らを監視する機関を、自ら設置することに意義がある」という、薬害肝炎全国原告団の代表者の言葉を引用し、厚労省に原因があることを暗示しています。自分自身で自分を縛るルールを作れるのは、高邁な理念と規範を持ち、しかもそれを実際行動に移せる組織に限られるのではないでしょうか。

(朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/


毎日新聞

政府が将来の電源構成を集約できないことを伝える記事

  • 経産相の諮問機関「総合資源エネルギー調査会」の基本委員会は、将来の原発比率について異なった案を支持する委員の意見を集約できず、4案を選択肢として残す。
  • 選択肢は、2030年の原発比率(2010年は26%)について、「早期にゼロ」「緩やかに削減(15%)」「現状維持(20~25%)」「数値目標を設けない」の4案。
  • 「数値目標を設けない」案については、国が目標を設定しないと国民にわかりにくい、という慎重意見も多いが、数値目標を押し付けることに経済学者らが反発しており、市場原理に委ねる選択肢を残す。

【リグミから一言】1つの案に集約できない理由は何でしょうか。従来は省庁の意向を受けた委員を集めて意見集約してきた経緯があるかもしれません。今回はそれが通用しなかったともいえますが、それだけ原発の将来構想を集約することが困難であることが背景にあると思います。委員会は、各選択肢の合理性を丁寧に説明し、その選択は広く国民に問い掛けるべきではないでしょうか。

(毎日jp http://mainichi.jp/

日経新聞

電力の新料金メニューによってピーク時割高が広がることを伝える記事

  • 電力各社は、節電策の一環として家庭向けの新料金メニューを導入する。
  • 関西電力は、ピーク時間の午後1時から4時の料金を夜間(午後11時から翌午前7時)の約6倍に設定するメニューを発表した。東京電力も同様のメニューの導入を決めた。
  • 時間帯で電気料金が大きく異なると、家庭の電気の使い方も変化する可能性がある。

(日経Web刊 http://www.nikkei.com/


東京新聞

福島第一原発1号機の漏水の可能性を報じる記事

  • 東京電力福島第一原発1号機には、毎時6トン前後の冷却水が注入されているが、格納容器内の水位は40センチでしかない可能性があることが、原子力安全基盤機構(JNES)の解析で判明した。
  • 漏れた水は、原子炉建屋地下に流れた後、配管やケーブルなどを通す穴を通じて隣のタービン建屋の地下に流れ込んでいる可能性がある。
  • 廃炉を実現するためには、圧力容器ごと水没させる水棺が必要だが、漏水が続いている可能性がある現状では廃炉の実現は難しい。

【リグミから一言】1号機の漏水が続いているとすれば、流失水がどこかに流出していることになるのではないでしょうか。そのことに明確な言及がないのが気になります。汚染が今も広がりつつあるのか、実態の解明が必要です。

(TOKYO Web http://www.tokyo-np.co.jp/