【リグミの解説】
俳優の体格
映画では、俳優の体格が実際と随分違って見えるものです。クリント・イーストウッド監督の『インビクタス/負けざる者たち』は、南アフリカのラグビー代表チームの活躍を描いた映画ですが、主演のマット・デーモンは身長178cm。その彼が演じたキャプテンは、実際には190cmを超える体躯でした。そのことを知ったマット・デーモンは、役を引き受けるべきか悩みましたが、イーストウッド監督に「カメラワークで体格のイメージはどうにでもなる」と説得されました。実際、南アフリカチームがラグビーワールドカップで連戦連勝となる終盤の映像で、マット・デーモンは本当に大きく見えました。
等身大の関係
毎日新聞は1面トップ記事で、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が開催されているロシア・ウラジオストクで、野田首相とロシアのプーチン大統領の会談内容を報じています。
プーチン氏は、柔道で鍛えた体が自慢で、自分を大きく強い存在に見せることにこだわると言われます。公式の場では笑顔を見せないのもイメージ戦略の一環で、カメラがなくなった後ではじめて、気さくな本来の人柄で接してくるという話を聞いたことがあります。野田さんは、「等身大」のプーチンさんを発見できたでしょうか。日本には北方領土問題の解決が、ロシアには極東を中心とした経済開発の思惑があります。トップ同士が直接出会うことで、はじめて理解し合い、共有できる基盤が見えてくるものです。双方の本当の姿を見せ合い、解決すべきことを解決し、未来志向の関係を構築していけるか、注目です。
野田首相は、クリントン米国務長官とも会談をしました。こちらは朝日新聞の1面トップ記事です。オスプレイの配備問題、竹島・尖閣諸島問題、原発ゼロ政策について話し合いました。クリントンさんは、物事の是非の判断基準が明快で、率直な物言いでイエスとノーを伝える方という印象があります。野田さんは、クリントンさんに会い、日米両国の「等身大」の関係が今どこにあり、本来どうあるべきか、明瞭になったでしょうか。
「目は口ほどにものを言う」
そして野田首相は、韓国の李明博大統領とAPECの会場で出会い、笑顔で握手をしました。その様子を、読売と朝日が1面の2番目の記事として写真報道しています。
首相は「目が合った瞬間に自然発生的に握手したが、言葉は交わしていない」と説明しました。竹島問題をきっかけに日韓関係は急速に悪化。APECで両国首脳が隣同士で座る予定なのに、お互いに目も合わさないまま会議は終わるのかと懸念されていました。「目は口ほどにものを言う」という諺もあります。相手をしっかり見つめることは、「等身大」の相手を冷静に観察し、理解するきっかけを与えてくれます。そこから、本当の「対話」が始まります。
(文責:梅本龍夫)
讀賣新聞
【記事】 維新、衆院選350人擁立へ
(YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/)
朝日新聞
【記事】 「オスプレイ、国内で懸念」
(朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/)
毎日新聞
【記事】 首相12月訪露で合意
(毎日jp http://mainichi.jp/)
日経新聞
【記事】 東電が原子力改革組織
(日経Web刊 http://www.nikkei.com/)
東京新聞
【記事】 キーン先生、日本人の半年いかがですか
(TOKYO Web http://www.tokyo-np.co.jp/)
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