【リグミの解説①】 東京新聞のトップ記事
本日の東京新聞のトップ記事は、電力会社側の「本音」が原発を稼働し続けるために再処理事業をするものであったことを報じています。使用済み核燃料の再処理事業は、燃料の安価な確保と安全保障のためとしてきた「建前」が崩れた、と主張しています。
原子力エネルギーの推進派と反対派は、双方に「無責任」という言葉を投げかけています。
推進派は、原発がなくなれば、第1に、燃料代が上昇が電気料金に跳ね返り、国内経済の空洞化と雇用の悪化が起きる、第2に、石油等に依存するとエネルギー安全保障の問題が発生する、第3に、再生可能エネルギーは高価で安定せず適地も限定されるが、こうした現実を考えずの原発ゼロを主張するのは、「無責任」であると主張します。
一方の反対派は、原発は第1に、福島第1原発事故で証明されたように安全に根本的な問題があり、いったん事故になれば被害が甚大であること、第2に節電とピーク時の電力の融通と再生可能エネルギーの普及を図れば原発に依存せずに済むこと、第3に、原発は使用済み核燃料の最終処理問題が決まっておらず、「トイレのないマンション」のようなもので、こうした構造的欠陥をもった設備を使い続けるのは「無責任」であると主張します。
推進派と反対派の「ビュー(視点)」には、それぞれ「理」があります。だから、双方の「理」を認め合い、問題解決の糸口を協働して探求しないと、本当の原子力エネルギー政策は具体化しないと思います。第3の「ビュー」を土俵として用意し、そこに双方が乗り、課題解決の方策を協働して探求することはできないでしょうか。
この土俵は、今から100年後の日本の姿を現しています。2112年に、日本はどうなっているか。世界はどうなっているか。双方とも、自分の世代で終わらない遠い将来を一緒に構想し、優先すべき課題を明らかにする。そこで、2012に存在する日本の原発の現実に立ち戻り、もう一度、互いの「理」をすり合わせる、というものです。
大きな時間軸と責任領域を共有すれば、日本人はきっと生来のチームスピリットを発揮し、真の「最適解」を創造できるはずです。
【リグミの解説②】 読売新聞と朝日新聞ののトップ記事
読売と朝日は、共に政府が尖閣諸島の国有化を決めたとする記事です。違いは、報道のポイントです。読売は、中国の反応については触れていませんが、朝日は中国の反発に配慮する必要性をより直接的に示唆する書き方です。
外交を揺るがす領土問題は、長らく外交の実務者レベルで平穏に経過するよう水面下で処理されてきましたが、日中双方の国内事情でそうもいかなくなってきました。中国側には、ネット世論を含む反日的な言動があります。日本側には、地方(東京都や大阪市など)が中央政府に反旗を翻す政治の下剋上があります。
この事態に対して、外国(米国など)は利害を共有しています。ここでも、日中の「ビュー(立場)」に対して、第3の「ビュー」が用意され、調停を進めることが結局は、長い目で見てすべての国々にとって、良い結果をもたらすのではないかと思います。反目し合う事態になっても、とにかく「対話」を断絶しないこと。これがすべての大前提ではないでしょうか。
(文責:梅本龍夫)
讀賣新聞
【記事】 尖閣売買、国と合意
(YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/)
朝日新聞
【記事】 尖閣、国購入で合意
(朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/)
毎日新聞
【記事】 大使車襲撃、男2人逮捕・起訴せず
(毎日jp http://mainichi.jp/)
日経新聞
【記事】 電気自動車充電4000ヵ所
(日経Web刊 http://www.nikkei.com/)
東京新聞
【記事】 再処理「原発維持のため」
(TOKYO Web http://www.tokyo-np.co.jp/)
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