2012.08.13 mon

新聞1面トップ 2012年8月13日

新聞1面トップ 2012年8月13日


【リグミの解説】 本日の新聞1面トップ記事は、読売、朝日、毎日、東京がそろって「レスリングの米満選手とボクシングの村田選手の金メダル」を伝えています。

日本は最終日にレスリングの村田選手が金メダルを取り、ロンドン大会の総メダル数が38個と、史上最多になりました。これは同時に、日本のオリンピック通算400個目のメダルになったそうです。
(参照:nikkansports.com


オリンピックは参加することに意義がある、と言われた時期もありますが、参加できて満足していては、最高のパフォーマンスは期待できません。どれだけ多くの人々がスポーツ活動をし、国家と企業とスポーツ団体がどれだけ明確な目標と戦略をもってオリンピックに臨んだかで、大きな差が生まれると思います。

オリンピックでメダルを獲得することに「国の威信をかける」、という「ハードパワー志向」の強い表現は、今日の日本には似合いません。しかし、「国家の活力と多様性の魅力を最大限に発揮する」、という「ソフトパワー志向」の表現であれば、今の日本に必要なことだと気付きます。

ロンドン大会は、参加国・地域204で、26競技302種目でした。単純計算で906個のメダルを、総勢1万人を超える各国の選手が目指したことになります。メダル獲得数が10個以上の国は26。1位は米国の104個で、”マーケットシェア”は11.4%。総数3桁、シェアで2桁は唯一。2位の中国は87個で9.6%でした。以下、3位ロシア(82個、9.1%)、4位英国(65個、7.2%)、5位ドイツ(44個、4.9%)。日本は、38個、4.2%で6位という結果でした。
(参照:国別メダル獲得ランキング


ただ、金メダル数で上位5ヵ国の米国、中国、ロシア、イギリス、韓国は、ロシアを除いてすべて、金メダル数が総メダル数の45%前後という高い集中度を示しています。つまり、メダルもたくさん取れ、なおかつ金メダルを取る力が高いということです。

日本は少子高齢化に人口減という構造問題を抱える中、東日本大震災に原発事故に見舞われました。さらに、国会財政は危機的で、ついこの前まで世界第2位を誇った経済は、国内の空洞化懸念に揺れています。そんな国はオリンピックで浮かれている場合ではない、という意見もあるかもしれません。メダル総数38個は上等、金メダルが少ないのも実力相応で結構。そういう気分もあると思います。

しかし、です。日本選手の活躍を見て、そこに日本の「ソフトパワー」の素晴らしさを再発見することはなかったでしょうか。なでしこジャパンにはじまり、女子卓球団体、女子バレー、男女水泳のメドレーリレー、男子体操団体、フェンシング男子団体フルーレなど、団体競技で発揮された「日本らしさ」は、とりわけ感動的で、日本の底力を再認識させてくれました。たかがオリンピック。されどオリンピック。

日本は、国としての「これからの100年の計」を立てるべき時を迎えています。オリンピックの多種多様な競技、そしてそれ以外の競技も含めて、国民があらゆるスポーツに溌剌と取組み、多様で創造的かつ豊かな社会を形成しているビジョンを持つこと。そこから、確実に何かが始まります。


讀賣新聞

【記事】 ボクシング村田「金」

  • ロンドンオリンピックの11日の競技では、ボクシング男子ミドル級の村田諒太が金メダルに輝いた。東京大会バンタム級の桜井孝雄以来、48年ぶり2人目の快挙を成し遂げた。
  • 試合終了の瞬間、村田は金メダルを確信、両手を突き上げた。村田の持論は「アマがプロより下とは思っていない」。試合後、あらためてプロ転向を否定した。プロでも戦える実力を持ちながら、アマチュアにこだわる。村田の目指すものは、お金や生活の安定ではないのだ。「妻がいて、息子がいて、ボクシングができる。僕は恵まれている。そう思うと笑顔が出てくる」。家族や周囲の人々、そして何よりボクシングを愛し続けた26歳に、金メダルが輝いた。
  • 12日の競技では、レスリング男子フリースタイル66キロ級の米満達弘が金メダルを獲得した。日本男子の優勝はソウル大会以来で、24年ぶりとなる。日本のメダルは38個となり、アテネの37個を上回った。

(YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/


朝日新聞

【記事】 米満、金

  • ロンドンオリンピックの最終日(第17日)の12日、レスリング男子フリースタイル66キロ級で、米満達弘が金メダルに輝いた。レスリング男子の金は、1988年のソウル大会以来、28年ぶり。
  • ウィニングラン。米満達弘の長い腕が、日の丸を大きく掲げた。決勝戦の第1ピリオド。インドのクマールは十分警戒していたはずだが、米満の伸ばしてきた手を振り切れなかった。リーチの長さは攻撃力を発揮する。それに加えて抜きん出た跳躍力。この2つがタックルの成功率を高めている。第2ピリオドは一点、豪快な技を決めた。体の柔らかさを活かし、相手の下に低く潜り込み、相手を肩で担ぎ上げ、ドスンと音をさせて叩きつけた。「イメージしていた通りにできた」。26歳は、にっこり笑った。
  • 第16日の11日は、ボクシング男子ミドル級で村田諒太が金メダルを獲得した。ボクシングの金メダルは、1964年の東京大会バンタム級の桜井孝雄以来、48年ぶり。今大会の日本のメダルは38個となり、アテネ大会の37個を上回る史上最多を更新した。

(朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/


毎日新聞

【記事】 村田と米満「金」

  • ロンドンオリンピックは最終日の12日、レスリング男子フリースタイル66キロ級の米満達弘が金メダルを獲得した。レスリング日本男子では1988年のソウル大会以来28年ぶりの金。また16日目の11日には、ボクシング男子ミドル級の村田諒太が、1964年東京大会を制したバンタム級の桜井孝雄以来48年ぶりとなる2人目の日本人金メダリストになった。
  • 米満が重かった扉をこじあけた。日本レスリング協会が4年間取り組んできた強化策が、オリンピックの最後に成果となって表れた。東京大会では5つの金メダルを取り、かつては「お家芸」と呼ばれたこともあった。だがバルセロナ、アトランタ、シドニーでは、メダル1つがやっと。徹底した体力強化を軸にした。どこの国よりも厳しい練習に選手たちがついていった。米満の金メダルは、日本選手団にとってオリンピック史上最多の38個目にあたる記念すべきメダルとなった。
  • 12日の男子マラソンでは、後半勝負に徹した中本健太郎が2時間11分16秒の6位で、日本勢2大会ぶりの入賞を果たした。閉会式は12日午後9時に開始。参加204ヵ国・地域すべてから女性選手が集まり、力を競い合った26競技302種目の熱戦に幕を下ろす。

(毎日jp http://mainichi.jp/

日経新聞

【記事】 薬、安全性向上へ10機関

  • 厚生労働省は、医薬品の安全性を高める目的で患者情報を集める。今年度から10の医療機関と連携し、2015年度までに匿名で1000万人規模のデータベースを作成し、副作用の発生確率や被害状況を分析する。
  • 東大などの大学病院のほかNTT病院、徳洲会病院も参加する。蓄積するのは、カルテに記載した情報が中心で、病名や各種の検査結果、処方した薬とその副作用など。患者の同意を得た上で、個人が特定できないようにする。
  • 日本では薬を服用した人数を調べる手段がなく、いったん薬害が起きた時、被害の広がりを防ぐための対応の遅れが懸念されている。患者情報の収集を薬害の全容把握や、副作用の少ない薬の開発に生かす。

(日経Web刊 http://www.nikkei.com/


東京新聞

【記事】 レスリング米満とボクシング村田が金

  • ロンドンオリンピックは12日、最終日を迎えた。レスリング男子フリースタイル66キロ級で、米満達弘が金メダルを獲得した。第16日の11日には、ボクシング男子ミドル級の村田諒太が金メダルに輝いた。
  • 米満達弘が少年だったとき、休日の楽しみは家族そろってカンフー映画鑑賞だった。ヒーローへの憧れは、いつしかオリンピックの夢に。「金メダルを取れる種目」を考え、中学で柔道、高校ではレスリングに打ち込んだ。拓大に入ったあと、中東への武者修行で心身にむちを入れた。イランの地元クラブへの出稽古で、自分を追い込みながら鍛える男たちの姿が刺激になり、これまで以上に練習に熱を入れた。米満は、社会に役立つ起業をする夢がある。金メダルを手に、少年時代に思い描いたヒーローであり続けるつもりだ。
  • 日本勢のメダルは、2004年のアテネ大会の37個を超え、史上最多の38個となった。日本時間の13日未明から閉会式があり、7月25日の女子サッカーから始まった熱戦の幕を閉じる。


(TOKYO Web http://www.tokyo-np.co.jp/


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