2014.11.21 fri

2014年11月21日【新聞解説】「水素物語」のはじまり

2014年11月21日【新聞解説】「水素物語」のはじまり


【リグミの解説】

燃料電池車
トヨタとホンダが、ハイブリッド車に続いて、燃料電池車の開発でも競い合っています。ホンダが燃料電池車の実験車両を発表したときは1台1億円と言われましたが、トヨタが発表した普及型の「ミライ」は、723万円で、政府の補助金を使うと、消費者の負担は500万円強になります。本日の日経新聞の社説は、水素を使って発電する燃料電池車の時代に向けた動きを伝える論説です。要旨は以下の通りです。
 
<日経新聞> 燃料電池車は水素社会の扉を開けるか
・ 次世代車には電気自動車(EV)などいろいろ候補があるが、燃料電池車を「本命視」する人も多い。電池の容量に限界があり、航続距離の短いEVに比べ、高圧に圧縮された水素はエネルギー密度が高く、一度充填すれば500キロメートル以上走れるのが特長だ。
・ EVの充電が急速充電でも30分かかるのに対し、水素の充填は3分程度で済み、ガソリンの補給と変わらない。電気で動き、走行時の二酸化炭素の排出がゼロでありながら、今の車とほぼ同じ感覚で乗れるのが大きな魅力である。
・ ただ、燃料電池車の普及は水素ステーションの整備が前提であり、10年単位の息の長い取り組みが必要だ。政府には水素の取り扱いに関するルールを決めたり、水素充填の仕組みなど日本発の技術を国際標準化したりする努力を求めたい
・ 水素の利点の一つは製造方法が多様で、これまで未利用だった低質の石炭などからも生成できることだ。オーストラリアなど地政学リスクの低い地域のこうした資源の活用が進めば、エネルギー調達の安定感が増すだろう。
・ エネルギーの「貯蔵庫」としての役割にも期待したい。電気は貯蔵が利かず、太陽光のように発電量が乱高下する電源は扱いが難しいが、余った電気で水を電気分解し、水素をつくっておけば、有効活用の道が広がる。日本のエネルギー問題を考えるうえでも、水素は重要な存在である。
 
端末とネットワーク
ハイブリッド車も電気自動車も、基本的にはガソリンや(石油などから作られる)電気など、現在のエネルギーインフラを前提にしています。言ってみれば、ネットワークの構造や機能は既存のままで、端末に入ったアプリケーションソフトが変わっただけともいえます。これに対して、燃料電池車は、日経の社説を見てもわかるように、エネルギーインフラ側の再設計まで入り込む提案性を含んでいます。
 
IT分野では、端末としての自動車から、ネットワークとしての自動車にテクノロジーの応用はどんどん進んでいます。渋滞のコントロール、ミクロなグリッド単位の気象条件の判断、自動運転などの動きは、自動車を情報端末化する発想から生まれています。その自動車が水素を燃料する形態に変化すると、エネルギー側でのネットワーク化が一気に進むかもしれません。
 
しかし現状では、水素を製造する段階で発生する二酸化炭素や、水素の製造と貯蔵にかかるコストの問題があり、総合的なエネルギー効率において、水素が化石燃料より効率良いとはいえないようです。インフラの整備以外にも、安全性の課題など、これからいろいろな問題指摘がなされ、解決策が議論されていくと思います。
 
水素の特徴
ここで、水素の面白さに触れてみます。
 
水素は、ビッグバン後に宇宙で最初にできた元素です。ひとつの陽子で成立する原子核(他の元素は陽子と中性子から成る)に、ひとつの電子が結合する最も単純な構造の元素です(原子番号1)。水素は、宇宙で最も軽く、最も豊富に存在する原子であり、質量で宇宙全体の75%を占めます。原子数としては、全原子の90%以上を占め、ほとんどが星間ガス、銀河間ガス、そして恒星や木星型惑星の構成物として存在し、宇宙全体の活動に深く関わっています。
 
宇宙では多量に存在する水素は、地球の大気中には1ppm(100万分の1)以下と、ほとんど存在しません。水素は、他の物質となじみやすく、ほとんどの元素と化学反応を起こします。地球上では、純粋な水素はほとんど存在せず、酸素と結合してより安定した水(H2O)の形態に変化します。
 
「水素結合」という特異な分子間の引力によって、水(H2O)は、周期律表の法則性からはずれ、融点と沸点が0度と100度となり、さらに気化熱がきわめて高くなります。このことで、地球生命圏の環境創造に、決定的に重要な役割を果たしています。人間の体は、29種類の元素で作られるが、その60.3%は水素です。もっとも単純な構造で、宇宙に最も普遍的に存在する水素は、私たちの肉体というミクロコスモスでも、最も基本となる元素です。
(引用:梅本龍夫著『数の神話―永遠の円環を巡る英雄の旅』発行:コスモスライブラリー P207-208)
 
未来の物語
燃料電池車の開発と普及には、冷静な議論と、客観的な判断が必要です。技術的な問題、コスト課題、インフラ整備など、課題は山積しています。同時に、水素(H)と空気中の酸素(O)との化学反応で発生する電気で動く自動車が出現したことに対し、主観的には期待の熱量を感じます。走行中に排ガスが出ない上、水(H2O)だけが生じる。こういうクルマが実際に走り始めたことに、「ミライ(未来)」を感じるからです。「水素物語」は、私たちをどこに連れていってくれるのでしょうか。
 

(文責:梅本龍夫)



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    http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/2014/news1/20141120-OYT1T50129.html
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    http://www.yomiuri.co.jp/national/20141120-OYT1T50131.html?from=yartcl_blist
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    http://www.asahi.com/articles/DA3S11466888.html
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    http://www.asahi.com/articles/DA3S11466885.html
  3. 社会の亀裂 つなぐ政治家を 座標軸
    http://www.asahi.com/articles/DA3S11466889.html

(朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/
 



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    http://senkyo.mainichi.jp/news/20141121ddm001010173000c.html
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    http://mainichi.jp/select/news/m20141121k0000m020169000c.html
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    http://senkyo.mainichi.jp/news/20141121ddm001010161000c.html

(毎日jp http://mainichi.jp/
 



  1. 利益の大半 株主配分 カシオ9割アマダ全額
    http://www.nikkei.com/article/DGXLASGD20H76_Q4A121C1MM8000/
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    http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS20H3M_Q4A121C1MM8000/
  3. りそな、公的資金完済へ 来年にも、3年前倒しで
    http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS20H36_Q4A121C1MM8000/

(日経Web刊 http://www.nikkei.com/
 



  1. 衆院きょう解散 野党共闘 見えぬ最終形
    http://news.goo.ne.jp/article/sankei/politics/elex/snk20141121001.html
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    http://news.goo.ne.jp/article/sankei/world/snk20141121087.html
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(MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/
 



  1. 安倍政治を問う 衆院きょう解散
    http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014112102000125.html
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    http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014112102000124.html
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    http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014112102000129.html

(TOKYO Web http://www.tokyo-np.co.jp/
 


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