2014.10.15 wed

2014年10月15日【新聞解説】新聞のライバル

2014年10月15日【新聞解説】新聞のライバル


【リグミの解説】

新聞週間
本日10/15から新聞週間が始まります。朝日、毎日、産経、東京の4紙が、自らの社会的役割について社説を掲げています。特徴的な主張を比較します。
 
<朝日新聞> 新聞と言論―社会を単色にはしない
・ 論説 委員の間で意見が割れ、激論になることもある。ただ、異論も踏まえているからこそ、論説主幹個人のものではない社の主張として成り立っている。
・ このところ、各新聞社の間で社説の主張が大きく二分されることが目立つ。こうした違いがあることは、日本の言論空間が健全であることの表れだ。
・ 新聞の役割は、意見の対立をあおることではない。考える材料をいかに社会に提供できるかにある。そのことを改めて確かめておきたい。
 
<毎日新聞> 新聞週間 情報社会の礎として
・ 民主主義とは、国民が主体的に物事を判断し、意思決定に加わるシステムだ。判断するには情報がなくてはならない。この要請に応える中心的なメディアが新聞であることを、改めて自覚したい。
・ 今年は新聞界にとって残念な出来事があった。朝日は自らの責任で誤報の原因を検証し、真摯(しんし)に結果を示さなければならない。同時に朝日以外の新聞社は、他山の石として重く受け止める必要がある。読者の支えがあってこそ「最も信頼できるメディア」という新聞の地位があるからだ。
 
<産経新聞> 新聞週間 信頼向上と報道の自由を
・ 新聞は情報をいち早く伝えるだけでなく、解説記事や調査報道を通し、分かりやすく深く伝える工夫をしている。情報が多い時代に多様な意見をふまえ、読者に考える指針を示す役割が増している。それだけに事実をゆがめて伝えることがあってはならない。
・ 新聞同士、メディア相互が論戦し、批判を含めて真摯(しんし)に受け止め、報じる内容の質を高める。それを通し読者の信頼に応えたい。
 
<東京新聞> 新聞週間 倫理綱領の原点に返る
・ 新聞倫理綱領の要請は、当たり前のことばかりだが、実践は至難。朝日新聞は慰安婦報道での記事取り消しに三十二年、ジャーナリスト・池上彰氏の批判に寛容さを示せず、他紙の朝日批判も報道・言論の一線を越え、品格と節度の点で問題を残した。綱領は掲げるだけで実践がなければ意味がない。
・ それでも情報化時代の言論・報道は、新聞が担わねばならない。あふれるほどの情報は逆に無いに等しく真偽不明の情報は疑心暗鬼と不安を招く。正確で公正な情報と言論が提供されなければならないゆえんだ。読者の信頼なくして新聞は成り立たない。そのためにはすべての新聞人が倫理綱領の原点に返るしかない。
 
二分される論調
リグミの活動を始めた2012当初と比較しても、新聞の論調は相当に変化している印象があります。朝日の社説にあるように、論調が新聞によって正反対ということが当たり前になってきました。東日本大震災後、国論を二分するテーマが顕在化した背景があると思います。白黒をはっきりつけることで注目されるネットの主張の影響もあるように感じます。
 
こうした社会的傾向の基本には理由は、社会を覆う閉塞感を打破したいという素朴な願いがあるように感じます。ただ閉塞感の正体(根本原因)がよくわからないので、現状を打破してくれそうな人や論調に同調する気分に、どこかですりかわっているのかもしれません。
 
「正義と真実」をどう担保するか
毎日と東京は、日本新聞協会が2000年に新しく掲げた新聞倫理綱領の5項目を紹介しています。「自由と責任」「正確と公正」「独立と寛容」「人権の尊重」「品格と節度」。国民の気分を反映する新聞メディアは、はたしてこの5項目をほんとうに順守できているでしょうか。
 
大きな問題を引き起こした朝日新聞だけでなく、主教各紙はそれぞれ、第三者委員会を設置し、自分たちの過去の記事の問題点を徹底分析してみることに、大きな価値があると思います。上記の5項目を、現在の新聞や雑誌などのメディア状況を見ると、「正義と真実」というくくりでまとめて検証することに、大きな価値があると感じます。
 
ライバル関係
立場、主義の違う側から、「あなたがたの報道と論説は傾聴に値する。あなたがたが存在するから、私たちは過ちを犯さず、より豊かで創造的な世界を作れる」と言われるようになるのが本来の姿だと思います。これは言う方も、言われる方も、どちらも成熟した大人でないと成り立たない関係です。
 
どんな世界でも、真のライバルをもった人は、切磋琢磨しあい、ともに成長していけます。新聞のほんとうのライバルは誰か(何か)。これが新聞週間の隠れたテーマだと思います。
 

(文責:梅本龍夫)



  1. 介護 資格要件を緩和 厚労省方針 人手不足解消狙う
    http://www.yomiuri.co.jp/politics/20141014-OYT1T50114.html
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    http://www.yomiuri.co.jp/politics/20141014-OYT1T50116.html
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(YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/
 



  1. 特定秘密法12月10日施行 閣議決定 情報隠し疑念残る
    http://www.asahi.com/articles/ASGBG4K49GBGUTFK00H.html
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    http://www.asahi.com/articles/DA3S11401685.html
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    http://www.asahi.com/articles/DA3S11401682.html

(朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/
 



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    http://mainichi.jp/select/news/20141015k0000m010144000c.html
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    http://sportsspecial.mainichi.jp/news/20141015ddm001040118000c.html
  3. 高橋「すっきり」フィギュア引退
    http://mainichi.jp/sports/news/20141015k0000m050074000c.html

(毎日jp http://mainichi.jp/
 



  1. 確定拠出年金 誰でも加入 厚労省案 主婦・公務員も
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    http://www.nikkei.com/article/DGKDASDZ1403K_U4A011C1MM8000/
  3. 増える訪日客 新たな需要生む 消費は戻るか
    http://www.nikkei.com/article/DGKDZO78407280V11C14A0MM8000/

(日経Web刊 http://www.nikkei.com/
 



  1. 拉致問題 北調査委員長と会談調整 訪朝、月内にも正式決定
    http://www.sankei.com/world/news/141015/wor1410150004-n1.html
  2. ソウル地検 出国禁止3カ月延長要請 前支局長起訴 来月13日「初公判」
    http://www.sankei.com/world/news/141014/wor1410140020-n1.html
  3. 高浜原発、審査合格へ 規制委 年度内再稼働は困難
    http://www.sankei.com/affairs/news/141015/afr1410150002-n1.html

(MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/
 



  1. 特攻作戦は愚 映画や「観光資源」元隊員が危機感
  2. 秘密法 運用基準閣議決定 監視機関も身内組織
    http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014101502000134.html
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    http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014101502000135.html

(TOKYO Web http://www.tokyo-np.co.jp/
 


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