【リグミの解説】
原爆投下の日
69年前のきょう8月6日、午前8時15分、広島上空で原子爆弾がさく裂しました。当時の広島市の人口35万人(推定)のうち9万~16万6千人が被爆から2~4カ月以内に死亡したとされます(引用:Wikipedia)。今朝の朝日、毎日、日経、東京の4紙が社説を掲げています。結語のメッセージを比較します。
<朝日新聞> 被爆69年の夏に―核兵器の違法化・禁止を
・ 広島市長が会長を務める平和首長会議には今、世界で6千を超す首長が参加する。非人道性の国際会議に限らず、核リスクへの危惧は確実に強まっている。多くの首長たちが参加するのは、市井に広がるそうした危惧を感じとってのことだろう。安全保障の問題だからと国任せにはしない。人の道に外れているかどうかを決めるのは、普通に暮らす私たちである。そこを強く自覚していきたい。
<毎日新聞> 原爆の日 記憶を継承し伝えよう
・ 戦争を回避し、核兵器をなくすために何が必要か。「最後は人間の英知が問われる」。広島原爆で姉を亡くし被爆体験の証言を重ねる竹本成徳さん(82)は言う。悲惨な戦争や原爆を経験した人類だからこそ、徹底した議論を通じて暴力を避けられると信じるからだ。「核なき世界」に一歩ずつでも近付くため、被爆国としての英知を示したい。被爆体験が伝わりにくくなっている今こそ、核の恐ろしさをこれまで以上に世界に伝えたい。
<日経新聞> 核廃絶への関心を高めたい
・ オバマ米大統領は「核なき世界」を目指すと明言している。東アジアの不安定な情勢を踏まえると一筋縄ではいかないだろうが、日本政府は最大限の外交努力で米国と連携し核廃絶への道筋を確立していくべきだ。3年前の大震災に伴う原発事故で日本はまた放射能被害と向き合うことになった。原爆と原発は同列に論じられる問題ではないが、無関心や慢心が悲劇につながるという点では同じではなかろうか。核問題に関心を持ち続けたい。
<東京新聞> 原爆忌に考える いつもの夏と違って
・ 平和とは空気のようなものなのでしょう。誰かに無理やり鼻と口をふさがれて、抵抗して解放されて、胸いっぱいに息を吸い込むことができて初めて、本当の価値が、わかるものかもしれません。 広島の平和宣言も、松井一実市長が就任した三年前から、公募した体験談を詳しく織り込むようになりました。体験の重さを全国の若い世代に強く訴えたいと。大切な空気がよどみ始めているのを、母親たちも感じています。重い真実の歴史を背負う被爆地が世界に向けて贈る言葉に、この夏は、いつにも増して、じっと耳を傾けます。
経験者は語る
今年の広島原爆記念公園での式典は大粒の雨の中で行われました。NHKの放送を見て、数年前にこの地を訪れ、原爆記念館で体感したことを思い出しました。決してわからない原爆投下後の真実の姿。それでも語り部となってくれている被爆者の方々の証言に耳を傾けることで、しみこむ真実の片りんがあります。
東日本大震災後の大津波で全滅した日本製紙石巻工場。当時工場長だった倉田博美さんは、絶望する社員たちを前に、工場を半年で再興させると宣言し、不可能と言われた工場再建を果たしました。大きな危険を伴う作業現場で、人命第一を貫き、悲しみと徒労感とらわれる社員たちを鼓舞し続けました。その倉田さんが会社を辞めたあと、インタビューに答えて言いました。
「いつか震災の記憶も薄れ、忘れられるだろうと思っていた。しかし、年を追うごとにいっそう記憶は生々しくなってくる。だが自分にとっても阪神淡路大震災は他人ごとだった。人を責めることなどできない」(佐々涼子著『紙つなげ!彼らが本の紙を造っている 再生・日本製紙石巻工場』早川書房刊P254 文章を一部編集)。
心の中の宣言
私たちにとって、日本が始めた戦争の事実も、人類史上初めての原爆投下の現実も、どこかで他人ごとになっています。自分たちがかかわったこと、自分たちが体験したことという自覚がありません。それを頭でわかろうとしても、無理があります。しかし、語り部の声にほんとうに耳を傾け、広島市の爆心地や石巻市など東北の被災地を訪れれば、かならず何かを感じます。そして確信することがあります。私たち一人ひとりの心の中で宣言することが、きっとあります。
(文責:梅本龍夫)
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- 朝日記事 国会で検証も 慰安婦問題 石破氏が言及
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