2014.04.24 thu

2014年4月24日【新聞解説】組織を世界に開く

2014年4月24日【新聞解説】組織を世界に開く


【リグミの解説】

海上自衛隊「いじめ訴訟」
海上自衛隊の護衛艦に勤務していた1等海士の自殺をし、遺族が「先輩隊員のいじめが原因」と訴えていた訴訟の控訴審判決が出ました。東京高裁は、国などに約7350万円の賠償を命じました。
 
海自はいじめを調査した「アンケートは破棄した」と回答していましたが、1審で国側の訴訟担当者だった3等海佐が、「海自はアンケートを隠している」と、告発の陳述書を東京高裁に提出しました。3等海佐は、防衛省の公益通報窓口にアンケートがあると告発しましたが取りあってもらえず、上司に直訴もしましたが聞き入れられず、遺族側に訴えました。
 
海自は、陳述書提出後、アンケートの存在を認めて謝罪し、関連文書を開示しました。一方で、公益通報者保護法に基づき内部告発した3等海佐に対し、海自は「アンケートの存在を示す文書を持ち出して自宅に保管したのは服務違反だ」として、懲戒処分の手続きを開始しました(引用:毎日新聞)。
 
毎日新聞がこの問題を社説と1面コラム「余禄」で取り上げています。要旨は以下のとおりです。
 
<毎日新聞>社説: 海自いじめ判決 隠蔽体質が断罪された
・ いったん秘密として「ないもの」と決めたら、組織を挙げて守りぬき言い逃れをする。さらに、過った組織決定でも、従わない者は処分も辞さない??。一連の海自の行動からは、そんな組織の体質が透けて見える。
・ こうした防衛省・自衛隊の隠蔽体質の下では、特定秘密保護法で防衛に関する特定秘密が指定された場合、たとえ国民に知らせるべき内容と職員や自衛官が判断しても、世に問うことをためらうのではないか。公益通報者保護も眼中にないかのような海自の対応は、そうしたことも想起させる。
・ 海自がすべきは、上告や3等海佐の処分ではない。隠蔽の経緯の検証と主導した責任者の処分だ。
 
いじめを生む組織体質
「海自がすべきは、隠蔽の経緯の検証と主導した責任者の処分だ」という指摘は、至極まっとうなものです。先輩にあたる元2等海曹の被害者が多数いることが判明しました。ひとりの人物が「いじめ」を繰り返していたというなら、それは例外といえます。
 
しかし、海自が組織をあげて事象を隠蔽したということは、「いじめ」が組織体質だということを示唆しています。なぜなら、「いじめ」を問題視するより、組織の保全を優先したからです。それこそ、「いじめ」の温床となります。
 
組織を世界に開く
「いじめ」は逃げ場のない閉じた世界で頻繁に起きます。小学校や中学校でいじめ問題が繰り返されるのは、今の日本の教育現場がきわめて閉鎖的だからです。「いじめ」や「暴力」「ハラスメント」をなくしていこうと本気で思うなら、組織を開いていくしかありません。
 
内部告発は、組織を世界に開く「最後の手段」であると思います。内部告発は、組織を傷つけ、告発者自身も傷つきます。そこまでの自己犠牲を払わなければ、真実が明らかにならないとき、人は内部告発を決意します。組織から見て、それがどれほど腹立たしいことだとしても、内部告発された事実を重く受け止め、組織を開く尊いチャンスとして活かすしかありません。
 
海上自衛隊は、わが国の安全の最前線に立つ組織です。その厳しい現場に立つ隊員たちが、りっぱに職責をまっとうできる環境が保たれることを願います。

(文責:梅本龍夫)



  1. オバマ大統領 国賓で来日 日米 アジア安定主導 共同声明 明記へ きょう首脳会談
    http://www.yomiuri.co.jp/politics/20140423-OYT1T50159.html?from=ycont_latest
  2. 沈没船会社の追及本格化 韓国検察 乗員過失や過積載
    http://www.yomiuri.co.jp/world/20140423-OYT1T50200.html
  3. 日米TPP「重要な岐路」USTR代表「5項目」大詰め交渉
    http://www.yomiuri.co.jp/economy/20140423-OYT1T50113.html?from=ytop_top

(YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/
 



  1. 「尖閣に安保適用」明記へ オバマ氏来日 日米共同文書に TPP大筋合意の可能性
    http://www.asahi.com/articles/ASG4R6VY7G4RUTFK018.html
  2. 浜岡原発事故 静岡県の想定 86万人避難に30時間超 南海トラフ地震
    http://www.asahi.com/articles/DA3S11101070.html
  3. リニア環境調査を提出 JR東海 修正1ヶ月、沿線「拙速」
    http://www.asahi.com/articles/DA3S11101073.html

(朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/
 



  1. 集団的自衛権 支持表明へ オバマ大統領来日 きょう首脳会談
    http://mainichi.jp/select/news/20140424k0000m010133000c.html
  2. 韓国客船沈没 空気だまり 確認できず 死者159人 客室集中捜索
    http://mainichi.jp/select/news/20140424k0000m030092000c.html
  3. TPP 米側「重要な岐路」妥協点模索 閣僚協議、深夜再開
    http://mainichi.jp/shimen/news/m20140424ddm001020186000c.html

(毎日jp http://mainichi.jp/
 



  1. 日米合意へ最終調整 TPP、牛肉20%軸 豚肉で詰め きょう首脳会談
    http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS23045_T20C14A4MM8000/
  2. 太陽光の電力融通 三井不動産 国内初、施設間で 街全体で節電
    http://www.nikkei.com/article/DGKDASDZ230CA_T20C14A4MM8000/
  3. ドコモ、営業益2%減 iPhone導入も苦戦 前期
    http://www.nikkei.com/article/DGKDASGD23030_T20C14A4MM8000/

(日経Web刊 http://www.nikkei.com/
 



  1. TPP協議続行 尖閣は安保適用明言へ
    http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140424/plc14042408020009-n1.htm
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    http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140424/plc14042408070010-n1.htm

(MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/
 



  1. 消費増税セール 納入業者 値引き分負担 JR東の子会社要請
    http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2014042402000141.html
  2. 解釈改憲「憲法精神にもとる」集団的自衛権 公明代表が批判
    http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014042402000140.html
  3. オバマ米大統領 来日 夕食会「人生で一番おいしいすし」
    http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014042402000138.html

(TOKYO Web http://www.tokyo-np.co.jp/
 


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