【リグミの解説】 ロンドンオリンピックの開会式が現地時間の27日夜に開催されました。読売新聞、朝日新聞、毎日新聞が、1面トップでオリンピックの幕開けの様子を伝えています。各紙の着目点の違いも興味深いです。
読売は、全種目に女子の参加枠が設けられ、全参加国・地域が女子選手を派遣する初の大会を象徴する選手として、柔道の福見友子選手にスポットライトを当て、ストーリー化しています。
朝日は、ロンドンが史上初の3度開催の地となることを紹介した上で、レスリングの吉田沙保里選手を取り上げています。オリンピック直前に4年続いた連勝が58でストップした吉田選手ですが、「旗手をした女子選手は金メダルが取れない」という過去のジンクスを破りたい、という強い決意を紹介し、応援しています。
毎日は、ロンドンオリンピックが「サステナビリティー」を運営方針に掲げていることに注目し、大国であることをアピールしたかった中国の北京大会との違いを描写。そして日本のオリンピック参加の初回が1908のロンドンであったこと、しかし次の1948年のロンドン大会では、敗戦国であったために参加を断られた、という歴史を紹介しています。
英国は、近代スポーツとフェアプレイの精神を生み出した国。「平和でより良い世界」に貢献するという、近代オリンピック創設者のグーベルタン男爵の夢に思いを馳せたい、と毎日新聞は結んでいます。それは各紙が等しく伝えたい趣旨であり、世界中の多くの人々の「思い」でもあるでしょう。
讀賣新聞
【記事】 柔道・福見きょう登場
(YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/)
朝日新聞
【記事】 ロンドン、聖火輝く
(朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/)
毎日新聞
【記事】 成熟の祭典、幕開く
(毎日jp http://mainichi.jp/)
日経新聞
【記事】 中国の磁石合弁、暗礁
(日経Web刊 http://www.nikkei.com/)
東京新聞
【記事】 SPEEDI非公表、理由示さず
(TOKYO Web http://www.tokyo-np.co.jp/)
【リグミのコメント】 日本は「原因責任」の追求を避ける構造的な問題があります。それはほとんど「日本問題」と言ってもよいかもしれません。ここを曖昧にしつづける限り、同じ問題は形を変えて何度も繰り返し起きます。
(参照記事:「バス事故」「原発事故」「ダルビッシュ敗戦」にみる責任の取り方)
【本日の新聞1面トップ記事】アーカイブ