讀賣新聞
【記事】 参院「4増4減」成立へ
- 参院の各会派でつくる参院選挙制度協議会が25日に国会内で開催された。民主党と自民党は、「1票の格差」を是正するため、「4増4減」する案への賛成意向を表明した。
- 具体的には、①神奈川と大阪の定数:6人⇒8人、②福島と岐阜の定数:4人⇒2人、③比例代表選と総定数(242人)は現行維持、④公選法改正案の附則に「2016年参院選に向け抜本的改革の検討を明記」、という内容。
- この内容で今国会での公職選挙法改正案を成立させ、2013年夏の参院選は新たな定数配分で実施する。
(YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/)
【リグミから一言】 自らに痛みを伴う改革は滞る。実施案ができても小手先のもの、見せかけのものに留まる。これはどんな組織にも言えることです。よほどの覚悟をもったリーダーとフォロワーの改革集団が現れない限り、問題先送りと糊塗策でごまかします。そういう意味で、国会と東京電力は大同小異です。
【リグミからもう一言】 「1票の格差」の本質問題は何なのでしょうか。定数を減らしつつ、1対1に近づけていけば、国会議員がゼロ(1未満)になる県も出てきます。地域とは何か。都市集中がかならずしも「善」であるわけではないし、1票の平等性という「善」からここまでかい離することも明らかにおかしいと言えます。民主主義の制度設計をゼロから議論し、20年スパンで再構築していくべきテーマだと思います。
朝日新聞
【記事】 請負作業員の被曝4倍
- 原発で働く電力会社社員に比べ、請負会社など社外の作業員の放射線被曝が、平均で約4倍の線量となっていることが判明した。
- 電力各社が経産省原子力安全・保安院に毎年報告している最新の内容(2010年度)によると、福島第1と第2を除くすべての原発で、放射線業務をしたのは延べ6万2961人。その88%の5万5260人が「その他」(社員以外)で被曝線量は平均1.1ミリシーベルト。それに対する社員は平均0.3ミリシーベルトであり、社員以外の数値が大幅に上回っている。さらに、被曝者全体の占める社員の割合は、被曝線量が高くなるほど減っている。この傾向は2010年以前から続いている。
- 安全教育の水準に社員と社員以外で差があることがひとつの要因であるが、より危険な業務に下請け作業員を当らせているためとみられ、「下請け任せ」の実態を映し出している。
(朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/)
【リグミから一言】 朝日新聞の続報で、電力会社の原発作業の下請けへのしわ寄せの実態が明らかになりました。これは日本の構造問題の象徴といえます。「下請けいじめ」ともいうべき状況はメーカーでも繰り返されてきました。テレビなどマスコミの現場も同じです。原発問題の特殊性にとどめず、あるべき姿を模索する一助としたい事例です。
毎日新聞
【記事】 宮城「3万戸は自力再建」
- 東日本大震災の津波で全壊した宮城県内の住宅6万836戸のうち、国が所有者から土地を買い上げる移転事業の対象や、災害公営住宅(復興住宅)の入居想定に現段階で入っていない世帯が3万戸に上った。宮城県の試算による。
- 全壊世帯6万836戸のうち、①「防災集団移転促進事業」の対象=1万4500戸、②「がけ地近接等危険住宅移転事業」の対象=2150戸、③復興住宅=1万4770戸となる。いずれの対象でもない残りの2万9416戸が自力再建を迫られる、と県は試算している。
- 自力再建は困難と訴える被災者は多い。しかし財政基盤の弱い自治体は独自の支援策を打ち出すのは困難とみられことから、国の支援強化を求める声が上がっている。
(毎日jp http://mainichi.jp/)
日経新聞
【記事】 テルモがオリンパス統合を提案
- 医療機器大手のテルモがオリンパスに対して、共同持ち株会社方式による経営統合を前提に、500億円を出資することを提案した。
- オリンパスとテルモの医療機器の売上高はそれぞれ世界15位程度であるが、経営統合すれば単純合算で世界8位となる。両社の得意な製品が重複していないため、経営統合の相乗効果が高く、新製品開発の加速や営業効率の向上も期待できる。
- 財政基盤の強化を急ぐオリンパスは、ソニーから約500億円の出資を受け入れる方向で最終調整しており、内視鏡やデジタルカメラでの協業の具体化を詰めている。先行するソニーの動きに対して、テルモは経営統合を提案することでオリンパスの株主らの支持を取り付けて巻き返す狙いがある。
(日経Web刊 http://www.nikkei.com/)
【リグミから一言】 テルモに対して、ソニーに対するのと同じ問題提起をしたいと思います。オリンパスは深刻な企業体質問題を抱えています。それを根本から治療する覚悟があるのか、といことです。隠ぺい体質、問題先送り体質は組織の健全性を大きく毀損します。日本電産の永守社長のように、M&A先の雇用を守ったうえで徹底した組織体質の再生を図る経営者が、テルモやソニーにいるでしょうか。市場競争に勝つための作戦は考えられても、サラリーマンの感覚ではできない経営の本質的テーマというものが、かならずあります。
東京新聞
【記事】 東電値上げ認可
- 枝野経産相は25日、東京電力が申請した家庭向け電気料金の値上げを正式に認可した。値上げ幅は平均8.46%。5月に申請したときよりも圧縮されたが、企業と異なり電力会社を選ぶことができない東電管内の家庭に負担がかかることに変わりはない。
- 30アンペアの平均家庭で、月の値上げ額が251円(4.5%増)。これに再生エネ費用(7月から開始)の50円と、燃料・原料費調整額121円を加算すると、月額負担増は422円となる。
- 政府の認可が伴う本格的な家庭向け電気料金の値上げは、1980年以来で32年ぶりとなる。周知期間を経て、9月1日から実施される。
(TOKYO Web http://www.tokyo-np.co.jp/)
【リグミから一言】 東電問題を考える上で、安定した電力供給(大規模停電がないこと)を安定した価格(値上げをしないこと)で長期間続けることは、公共事業としての電力会社の基本的責務を果たしてきた点は正しく評価すべきだと思います。それだけに、原発事故で浮上した負の側面の闇が深いとも言えます。
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