2014.02.28 fri

2014年2月28日【新聞解説】「クールジャパン」な社会

2014年2月28日【新聞解説】「クールジャパン」な社会


【リグミの解説】

「表現の自由」
朝日新聞の本日の社説は「表現の自由」を扱っています。
 
  • 憲法が悪い。ネトウヨが悪い。中韓が悪い。そうやって次々と「あいつが悪い(自分は悪くない)」で物事を単純化して批判すると、スッキリする。
  • しかしみんながスッキリしていても、誰もが生きやすい、豊かな社会は成り立たない。批判を恐れ、人々は萎縮するばかりだ。社会の豊かさとは何か、自分の問題として引き受け、しぼんだ社会に少しずつ息を吹き込んでいくしかない。
  • 面倒だしスッキリもしない。でも、誰かのせいにしているだけでは社会の萎縮と自粛が進み、息苦しさは増す。まずは私たち一人ひとりが「あいつが悪い」から抜け出すことだ。
 
異質を排除する「二項対立」が強まる社会
最近の社会は「二項対立」のエネルギーが強まっているでしょうか。二項対立は「善と悪」「味方と敵」のように、相対関係の両極端を示し、分断する発想です。この思考パターンに入ると、創造的な活動がむつかしくなります。なぜなら創造とは、異質なものを組み合わせ、新しい価値を発見する活動だからです。
 
もともと日本人は、創意工夫に富んだ創造的で実際的な文化・伝統をもっています。それを編集工学研究所の松岡正剛さんは、「二項同体」と呼んでいます。相反するふたつのものが対立することなく共存し、そこから新しい様式や文化が生まれる「二項同体」は、日本の大きな特徴です。
 
異質を共存させる「二項同体」が日本の伝統
わかりやすい例が、「和」と「洋」です。どれだけ生活が洋風化しても、日本人はかならず靴を脱いで家に上がります。洋食でも、お茶碗にごはんを盛り、お箸を使って食べたり、家庭料理でも当たり前に、和食と洋食が組み合わされたおかずだったりします。
 
日本人が昔から得意としてきた「ものづくり」にも、二項同体の精神が生きています。「手作りの匠の作品」と、「高度な工業製品」の両方に、日本人ならではの細部までの徹底したこだわりが発揮されています。
 
競争と和合
僧侶で作家の玄侑宗久さんの新著『日本人の心のかたち』は、「両行と不二」という概念で「二項同体」のあり方を解説しています。この本の中に、伝統的な仕事の仕方だった「伴」に対して、奈良時代に外から「部」というやり方が入ってきた歴史が語られています。
 
「伴」は、誰かが忙しそうならみなでそれを手伝う和合的な仕事の仕方であり、「部」は同じ仕事をお互いにしのぎを削ってする競争的なやり方だそうです。日本人はこの両方を融合し、「部」の大枠の中で競争しつつ、全体としては「伴」の精神で和合することを好みます。
 
二項同体は「クールジャパン」
何もかもが激しい競争にさらされ、人々が例外なく「勝ち組」と「負け組」に分断されていく社会では、自分を守るために誰かを攻撃する心理が助長されます。「表現の自由」は本来、異なったものを包摂し、新しい価値を生む「二項同体」の精神を発揮する豊かな基盤のはずです。それが「二項対立」をあおる場に堕せば、社会はしぼみ、すさみます。
 
玄侑さんの言う「両行」(二項対立)を包む「不二」(二項同体)を持てるのが私たちの社会の豊かさの源泉になっています。海外の優れたもの、面白いものをどんどん吸収しつつ、日本独自のものに作り変えていくのが日本の文化の一大特徴です。
 
言論も同じことができるはずです。偏見や差別にとらわれず、社会をはつらつとした、色彩豊かな場にすることこそ、私たちが世界に発信できるソフトパワーです。そんな「クールジャパン」を発信できるようになりたいと願っています。

(文責:梅本龍夫)



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(YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/
 



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(朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/
 



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(毎日jp http://mainichi.jp/
 



  1. 国保業務を民間委託 窓口や保険料徴収
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    http://www.nikkei.com/article/DGXNASGG2702N_X20C14A2MM8000/
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    http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140228-00000086-san-pol

(MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/
 



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    http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014022802000153.html
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(TOKYO Web http://www.tokyo-np.co.jp/
 


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