2014.02.12 wed

2014年2月12日【新聞解説】選手たちに栄えあれ

2014年2月12日【新聞解説】選手たちに栄えあれ


【リグミの解説】

メダル一歩手前
ソチ冬季オリンピックのスピードスケート男子500メートルで、オランダ勢が金銀銅を獲得しました。42年前の札幌オリンピックの70メートル級ジャンプで笠谷、金野、青地の日本人3選手が表彰台を独占したシーンを思い出しました。
 
オランダの人々はきっと大喜びしていると思います。42年前の日本人がそうであったように。オリンピックは本当に特別と言われます。あらゆる国と地域からあらゆる種類の競技に参加するためにトップクラスのアスリートたちが集まり、熱戦を繰り広げる。4年に1度、世界中が注視する中、最高のパフォーマンスを残せた者だけがメダリストの栄誉に浴します。
 
長島選手と加藤選手の物語
本日の毎日新聞の調査報道「ストーリー」は、スピードスケートの長島圭一郎選手と加藤条治選手の物語です。天才肌で常に世間の注目を集めてきた加藤選手と、平凡な成績しか残せなかった雑草タイプの長島選手。このふたりが指導者の縁で一緒になり、まさに切磋琢磨する関係になっていきました。
 
バンクーバーオリンピックで長島選手が銀、加藤選手が銅メダルを取り、ソチでは両者ともに金を取りに行くと火花を散らしました。結果は、加藤選手5位、長島選手6位に終わりました。試合後のふたりのインタビューを見て、落胆と悔しさの深さを感じ取りました。ふたりのライバル物語はここで終わるのでしょうか。
 
高梨選手と上村選手
金メダル確実と言われ、日本中の注目を浴びた選手に、女子ジャンプの高梨沙羅選手がいます。結果は残念ながらメダルに手が届かない4位でした。「今まで支えてくださった皆さんに感謝を伝えるためにこの舞台に来たのでいい結果を出せなかったのが残念です。また、このオリンピックに戻ってこれるようにもっともっとレベルアップしたいです」と涙ながらに語りました。まだ17歳。あどけなさの残る高梨選手の挑戦は始まったばかりです。
 
女子モーグルの上村愛子選手は、5回目のオリンピック出場でした。7位、6位、5位、4位とひとつずつ順位を上げ、今度こそメダルと期待され、本当に惜しいところで4位に終わりました。かつて「なんでひとつずつなんだろう」と涙した上村選手でしたが、ソチの結果はやりきった満足感に満ちた表情でした。
 
長崎宏子さんのその後
長崎宏子さんは日本の元水泳選手で、1980年代に平泳ぎで活躍しました。ロサンゼルスオリンピックでは金メダル候補でしたが、膝の故障で4位に終わりました。ソウルオリンピックにも出場しましたが予選落ちとなりました。現在の長崎さんは、ベビースイミング教室を主宰し、多くのお母さんたちに交じり、ベビーやキッズの水泳を楽しそうに指導しています。競うのでなく楽しむ。その先に、上をめざす姿勢が生まれるというのが、長崎さんの今の信条のように見えます。
 
オリンピックは国別対抗戦のようになってきています。スピードスケート男子500メートルで、オランダ勢がメダル独占したことは快挙ですが、日本で報道されるのはもっぱら加藤選手と長島選手の戦績です。オリンピックを自国選手の結果だけで見るのは、少しさびしい気がします。また、メダル確実と言われた選手が4位以下に終わるとがっかりし、時間が経つと記録も記憶も消えていってしまうのも少し残念です。
 
人生に栄えあれ
スポーツでも他の多くの活動でも、ピークがあります。それを過ぎるとパフォーマンスを上げるのが難しくなります。しかし、人生にピークはありません。過去の出来事や取り組みはすべて、その人の礎であり糧です。オリンピックという最高の舞台に立てる人はしあわせです。そこで結果を残せた人はもっとしあわせでしょう。でも、それもすべて、長い道のりの一歩に過ぎません。
 
人々の記憶が薄れても、人生は続きます。本当のメダルがどのようなものかは、人生を仕上げてみなければわかりません。全世界のアスリートたちの人生に栄えあれ。
 

(文責:梅本龍夫)



  1. 除染・廃炉に国家資格 自民方針 作業の質 向上図る
    http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20140211-OYT1T00973.htm
  2. 「カーママ」でも旋風 小笠原「恥じぬ1投」誓う
    http://www.yomiuri.co.jp/olympic/2014/other/20140212-OYT1T00379.htm?from=ylist
  3. 工場建設 手続き簡素化 厚労省法改正案 設備投資を促進
    http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20140211-OYT1T00933.htm?from=ylist

(YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/
 



  1. 中台、担当官僚が初会談 分断65年 連絡強化で合意
    http://www.asahi.com/international/reuters/CRWTJEA1A01U.html
  2. ソチ五輪 沙羅 父と紡いだ翼 
    http://www.asahi.com/articles/DA3S10974712.html?ref=twitter
  3. 検察、証人に「想定問答集」鈴木宗男氏の汚職事件公判
    http://www.asahi.com/articles/ASG277J3JG27PTIL02D.html

(朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/
 



  1. 在日米軍 性犯罪に甘い処分 有罪の2/3収監せず
    http://mainichi.jp/select/news/20140212k0000m030049000c.html
  2. 中台 初の官僚級会談 対話メカニズム構築合意
    http://mainichi.jp/select/news/20140212k0000m030048000c.html
  3. ソチ五輪2014 平野・平岡決勝進出 ハーフパイプ 小平5位
    http://sportsspecial.mainichi.jp/news/20140212ddm001050135000c.html

(毎日jp http://mainichi.jp/
 



  1. 割安保険 第一生命が参入 損保ジャパンから買収
    http://www.nikkei.com/markets/kigyo/ma.aspx?g=DGXNASFS11019_11022014MM8000
  2. GE、日本で認知症研究 弘前大と1万人の情報検証
    http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD11038_R10C14A2MM8000/
  3. 米緩和縮小を堅持 新興国不安「リスクにならず」
    http://www.nikkei.com/article/DGKDASGM11023_R10C14A2MM8000/

(日経Web刊 http://www.nikkei.com/
 



  1. 桝添新知事 首都高 五輪までに大改修 新都市計画の着手表明
    http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140211/lcl14021123200002-n1.htm
  2. Sochi2014 スノボHP 15歳・平野が決勝進出
    http://sankei.jp.msn.com/sochi2014/news/140211/soc14021121590048-n1.htm
  3. 韓国「慰安婦の日」制定へ 世界遺産登録など対日攻勢
    http://sankei.jp.msn.com/world/news/140211/kor14021116000004-n1.htm

(MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/
 



  1. 東電アンケート元請け経由回収 作業員「本音書けない」福島第一原発
    http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014021202000120.html
  2. 歴史家 検証できぬ 秘密保護法 言わねばならないこと
    http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/himitsuhogo/iwaneba/list/CK2014021202000122.html
  3. 日本人が再建タクト NYの歌劇団、主席指揮者に 復興支援演奏会で縁
    http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2014021202000119.html

(TOKYO Web http://www.tokyo-np.co.jp/
 


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