【リグミの解説】
国会代表質問
安倍首相の施政方針演説に対する各党の代表質問が始まりました。読売、毎日、日経、産経、東京が社説で論評しています。特徴的な論点を比較します。
<読売新聞> 「責任野党」の中身が問われる
- 海江田氏の対応で疑問なのは、「国民を顧みない政策」に民主党の対案を提示すると言いながら、一向に実行しないことである。民主党こそ、安価な電力の安定供給の重要性、脱原発による経済や環境への悪影響などを踏まえた現実的な政策を示すべきだ。
<毎日新聞> 「補完野党」に陥るな
- 政策別に野党が与党に協力し主張を反映することを一概に否定しない。だが、国の根幹に関わるような基本政策も含め、与党との合意ばかりに腐心するようでは野党としての存在意義に疑問符がつく。与党への安易な擦り寄りは補完勢力への道だ。対立軸を提示する努力を野党各党に求めたい。
<日経新聞> 与野党は経済政策メニュー示し競い合え
- 政府提出法案と野党の対案を一括審議するのは、政策本位の与野党の話し合いを活性化させるよい手段だ。与党も耳を傾けてもらいたい。与野党が経済政策のメニューを示し、競い合うのがよい国会論戦ではないだろうか。
<産経新聞> 活発な安保論議歓迎する
- 日本の安全保障政策をより積極的に論じようという動きが、与野党双方から出てきたことを歓迎したい。民主党は、抽象論での批判が目立ち、防衛力充実の視点に欠けている。党として定まっていない集団的自衛権への対応を決めるのが先だ。
<東京新聞> 「民意」をぶつけてこそ
- 政府の進める政策が、国民の思いや願いと懸け離れてはいないか。民主党は「平和と民主主義を脅かす動きに対しては断固として戦うと宣言」した。野党の姿勢としては当然である。政治に携わる者は民意に敏感であるべきだ。特に野党は、国民の思いや願いを政権側にぶつけ、暮らしをよくする政策の実現に尽力することが責務である。
キャッチコピー
安倍政権には優秀なコピーライターがついているのでしょうか。自民党が下野したあと、マスコミも国民も見向きもしなくなりました。野党の悲哀を味わった自民党は、自党の軸を見直しました。そしてマーケティング戦略を徹底してつくりあげたと言われます。「積極的平和主義」や「責任野党」。一見もっともらしいキャッチコピーが今、政治の舞台で脚光を浴びています。
言葉には、二項対立の概念が常に含まれます。「積極的」に対しては「消極的」、「責任」に対しては「無責任」。「積極的平和主義」が良い響きを持つとすれば、今までの「消極的平和主義」は否定されるべきものとなります。「責任野党」と呼び掛けられると、「無責任野党」と思われたくない側は浮足立ちます。
しかし、大事なのは「平和主義」が意味する理念的な意味と、理念を現実化するための具体的な施策です。「野党」はそもそも「与党」の対立概念ですから、野党に必要なことは、自らの拠って立つ軸を明確にすることです。それが野党の「責任」です。政府の推進する政策に賛同するにしても、野党ならでは付加価値をつけるのでなければ、存在意義はありません。
言葉の中味を豊かにする努力
日本人は世にも不思議な言葉で自分たちの気分を表現します。それが「空気」です。空気はよどむと息苦しくなります。そこで大きな風を起こす勢力があると、両端の窓を開け放ったように空気は一気に入れ替わります。空気はよどむか、一気に変わるかのいずれかです。日本人は、二項対立を根気よく、現実的に詰めていく努力を怠る傾向があります。
戦争に向けて空気が一気に一方に動いていった時代、それに抗する人たちはかつて「非国民」呼ばわりされました。いったいそのとき「国民」は何を意味していたのでしょうか。
与党と野党は、二項対立を恐れず、国民の真の公益にために心を尽くして議論を尽くしてもらいたいと思います。言葉の中味を豊かなにする努力によって、「空気」がすべてではないことがわかるようになります。しっかりした骨格の国家運営を政治に期待します。
(文責:梅本龍夫)
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http://mainichi.jp/select/news/20140129k0000m040053000c.html
(毎日jp http://mainichi.jp/)
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http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2803K_Y4A120C1MM8000/ - 収入源多様化待ったなし 大学は変われるか
http://www.nikkei.com/article/DGKDZO66036310Z20C14A1MM8000/
(日経Web刊 http://www.nikkei.com/)
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140129-00000110-san-pol - 「尖閣・竹島 固有の領土」 解説書明記
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140128/edc14012810430001-n1.htm - 首相、靖国参拝「当然」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140128/plc14012822370021-n1.htm
(MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/2014tochiji/list/CK2014012902000171.html
(TOKYO Web http://www.tokyo-np.co.jp/)
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