【リグミの解説】 本日の新聞1面トップ記事でもっとも注目すべきは、朝日の「線量計に鉛板、被曝隠し」です。原発の事故処理や工事の現場で起きていることが、臨場感をもって伝わってきます。例外的なことなのか、普通に行われていることなのか。この下請け会社の個別事例に留めず、追求を続けてもらいたいテーマです。
讀賣新聞
【記事】 ビール卸3社、不当廉売
(YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/)
【リグミの補足】 こうしたケースでは、小売り側が市場支配力を利用して卸側が不当廉売せざるを得ない状況に追い込んでいるのが実態ではないか、という疑念があります。実際、公取委も当初は、イオン側が卸売会社を追い込んだとの見立てで「優越的地位の乱用」の適用を目指したそうです。しかし、イオンへの卸をやめた卸売会社もあること、消費者利益になっている面もあること、などから適用を見送ったようです。
ビールメーカーによる販売奨励金などの不透明な慣行があって、はじめて一定の利益を確保できていた構造的な要因が生み出し問題であり、取引の透明化をメーカー、卸、小売りが等しく目指さない限り、構造要因の排除はできないと思います。問題解決できず、卸が適正利益を確保できなければ、どこか他のところで帳尻を合わせるもので、ビールは安くなっても、全体としては結局は消費者にしわ寄せが行きます。
朝日新聞
【記事】 線量計に鉛板、被曝隠し
(朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/)
【リグミのコメント】 録音記録を再現した記事本文は臨場感があります。ビルトアップ社は各地の原発で工事を請け負っており、年間被曝量の50ミリシーベルトを「福島第1原発の事故処理で使い果たしたくない」という思惑があったようです。原発での仕事を継続できなくなるからです。法令を無視し、不正を行い、さらには働く者の命の危険を高める行為を強要しないと仕事(ビジネス)が成り立たないようでは話になりません。原発の現場で何が起きているのか。記事では発注元の東京電力のことには何も触れていませんが、危険な仕事は全部下請けに振り、不正も見て見ぬふりをしているのではないか。電力会社が犯している「未必の故意」を憶測させる記事です。
毎日新聞
【記事】 シリア死者、最悪300人超
(毎日jp http://mainichi.jp/)
【リグミの補足】 「アラブの春」で、チュニジアとエジプトでは大統領が退陣しました。リビアでは内戦状態になった末、欧米諸国が軍事介入し、最終的にカダフィ大佐は殺害され政権が崩壊しました。一方のシリアは、昨年末までで死者数が5000人を超える激しい内戦状態がなぜこれほど長びいているのでしょうか。
理由は3つぐらいあるようです。①アサド政権が倒れると政権に抑圧されてきた多数派のスンニ派が怨念を爆発させ、中東全体に不安が広がる恐れがあること、②シリアはリビアと違って石油埋蔵量が限られ、欧米が犠牲を払って介入するメリットが少ないこと、③シリアはロシア艦隊の補給基地のある戦略的友好国であり武器輸出対象でもあること。
(参照:YOMIURI ONLINE)
民衆が立ち上がり、民主国家の樹立を求めるのはグローバルな流れであり、もう止められないと思います。しかしその実態は複雑で、民衆は国際政治の思惑によって支援され、また放置されます。シリアにおける「アラブの春」が非暴力の運動に留まることができたならば、これほどの内戦にはならず、犠牲者もずっと少なくて済んだのではないか。そう考えるのは、中東の実態を知らない者の非現実的な思いに過ぎないのでしょうか。
日経新聞
【記事】 不動産の売買復調
(日経Web刊 http://www.nikkei.com/)
東京新聞
【記事】 幻の大観
(TOKYO Web http://www.tokyo-np.co.jp/)
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