2013.11.13 wed

新聞1面トップ 2013年11月13日【解説】原発の急所

新聞1面トップ 2013年11月13日【解説】原発の急所


【リグミの解説】

小泉元首相「原発即ゼロ」発言
小泉元首相が昨日、日本記者クラブで記者会見し、「原発『即ゼロ』がいい」と発言しました。各紙の報道の仕方を比較します(「サードビュー」)。
 
<読売新聞>
政治面に「首相に決断促す」とのサブタイトルで、記者会見の概要を掲載。同時に、細田官房長官代行の反論を掲載。「(原発をやめて)石炭、火力に依存すると、はるかに大きな負担を人類にもたらす。(小泉氏には)敬意を表するが、(原発ゼロは)結論として正しくない」。
 
<朝日新聞>
1面トップ記事に「『決断すればできる』」とのサブタイトルで大きく報道。2面では「小泉発言、政権を挑発」という記事を掲載。さらに、社会面では賛同者の声と不信感を持つ人の声を紹介しています。
 
2面の解説記事で、「多くの人が感じるもやもやした思いを代弁」と指摘。「表で議論しないまま物事を決める、今の日本の政治のやり方に、小泉氏が自分の影響力を自覚して『ノー』を突きつけた。発言の後ろには多くの共感がある。議論を社会全体に広げるべきだ」。
 
<毎日新聞>
1面の2番目に「『首相決断で原発即ゼロ』」という囲み記事を掲載。総合面に「脱原発、首相狙い撃ち」との記事で、日本記者クラブで揮毫(きごう)を求められた小泉氏が「百考は一行にしかず」と記したと紹介。
 
同面の囲み記事で、最新の世論調査結果を示しています。
・ 小泉元首相の「原発ゼロ」発言に「賛同する」55%、「賛同しない」34%
 
さらに社説で、「小泉流の主張には説得力があった。安倍首相には、ぜひとも、耳を傾けてほしい」と記しています。「本気でイノベーションを起こそうと思うなら、『原発に頼らない』という大転換こそ有効だ。『今すぐ原発ゼロ実現を』という踏み込んだ主張も、そうした点で理解できる」。
 
<産経新聞>
総合面(3面)に「『安倍首相が言えば反対できない。かじ切ってほしい』」とのサブタイトルで掲載。「小泉氏は今も絶大な人気を保っており、自民党はうかつな反論を封印、しかし小泉氏は発言をエスカレートさせており、自民党は苦慮している」と伝えています。総合面(5面)では、「原発、そんなに再稼働できない 中国への対応、今のままでいい」というタイトルで記者会見の概要を掲載。
 
<東京新聞>
1面で「小泉氏、首相に決断促す」とのサブタイトルで大きく報道。2面では「小泉節、首相に照準」と掲げ、「今、原発ゼロに反対しているのは自民党だけじゃないか。本音は、自民党でも賛否は半々だ。首相がもし原発ゼロの方針を決めれば、反対派はもう反対できない」との発言を掲載。
 
さらに「発言通り再稼働は非現実的」との解説記事を併記し、「処分場なし」「コスト巨額」「事故影響大」と指摘。「各原発の燃料プールには計1万4千トンもの使用済み核燃料がある。原発を動かせば、うち6割が数年で満杯になり、動かせなくなる」。
 
重い問いかけ
小泉氏は、核のゴミの最終処分場が10年間見つからず、今後も見つかる見込みが薄いという現実を指摘しています。これは原発推進派の最大の急所です。しかし同時に、原発反対派の最大の急所でもあります。原発ゼロを今政治決断できたとしても、核のゴミの最終処分は、国民全員で意思決定し、遂行していかなければならない大問題です。原発に賛成でも反対でも、ここは手を携えて一緒に問題解決する以外にありません。
 
小泉氏は、世界で唯一、核ゴミ最終処分場を建設しているフィンランドの「オンカロ」を訪問し、原発ゼロの意志を固めたといいます。そのときの体験を会見で語っています。「フィンランドは岩盤の国。それでも首都ヘルシンキから200キロ以上離れた島にオンカロを建設している。フィンランドには原発が4基あるが2基分しか作れていない。残り2基分は住民が反対しているからだ。地震国で地下水の多い日本で、どうやって地下400メートルまで掘って54基分の核のゴミを処分するのか」。小泉氏の問いかけは、重いものがあります。
 

(文責:梅本龍夫)



  1. 虎雄容疑者 買収主導か 徳田議員、自民離党へ 徳洲会選挙違反
    http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20131112-OYT1T00850.htm
  2. 「高校4年」じっくり進路 変わるか6・3・3制
  3. 比台風 被災1130万人に 各国の援助活動 本格化
    http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20131113-OYT1T00023.htm

(YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/
 



  1. 原発「即ゼロ」首相に迫る「決断すればできる」小泉元首相会見
    http://www.asahi.com/articles/TKY201311120160.html
  2. 徳田陣営 現金買収の疑い 姉が裏金捻出か
    http://www.asahi.com/articles/TKY201311120631.html
  3. 諫早開門の是非 協議へ 差し止め命令 国、実施難航は必至
    http://www.asahi.com/articles/SEB201311120059.html?ref=twitter

(朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/
 



  1. 民主、秘密保護法案反対へ 修正協議応じず
    http://mainichi.jp/select/news/m20131113k0000m010139000c.html
  2. 「首相決断で原発即ゼロ」小泉元首相が記者会見
    http://mainichi.jp/select/news/20131113k0000m010054000c.html
  3. 徳田前理事長 買収主導 病床から娘通じ指示か 公選法違反容疑
    http://senkyo.mainichi.jp/news/20131113ddm001040082000c.html

(毎日jp http://mainichi.jp/
 



  1. 中国、市場重視で改革 金融・投資の規制緩和 共産党が方針決定
    http://www.nikkei.com/article/DGKDZO61779810Z21C13A0MM8000/
  2. 「教える技」一から鍛える 研究至上主義 今は昔 大学は変われるか
    http://www.nikkei.com/article/DGKDZO62501820T11C13A1MM8000/
  3. 東電、燃料調達へ提携 ガスや商社とコスト削減
    http://www.nikkei.com/article/DGKDASFS12031_S3A111C1MM8000/

(日経Web刊 http://www.nikkei.com/
 



  1. 5分野に「特恵輸入枠」 TPP政府が低関税適用検討
    http://sankei.jp.msn.com/economy/news/131113/fnc13111302070000-n1.htm
  2. 徳田議員姉ら6人逮捕 虎雄氏 在宅起訴へ
    http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/131112/crm13111212210004-n1.htm
  3. 諫早開門 差し止め 長崎地裁 確定判決と逆判断
    http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/131113/trl13111300500000-n1.htm

(MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/
 



  1. 原発「即ゼロに」小泉氏、首相に決断促す
    http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013111302000131.html
  2. リコーの出向命令無効 「追い出し部屋」人事権乱用 東京地裁判決
    http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013111302000130.html
  3. 諫早開門差し止め 長崎地裁が仮処分決定 確定判決と逆判断
    http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013111201001861.html

(TOKYO Web http://www.tokyo-np.co.jp/
 


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