【リグミの解説】 本日の1面トップは、読売、朝日、毎日が九州北部を襲っている豪雨の被害を伝えています。気象庁は昨日初めて、「これまでに経験したことのないような大雨」という表現を使用しました。「総雨量が何ミリと書かれても危険度が分からない」という声に応えた表現改訂によるものだそうです。
テレビのニュース報道でこの表現を聞いたとき、大変なことが起きる(起きている)というニュアンスが伝わってきました。この表現の定義は「その地域で約50年に1度しか起きない規模の大雨」というもの。異常気象とは、過去のトレンドから乖離する気象現象を指すと思いますが、「異常」が常態化してきていることを懸念します。
(参照:FNN、TV DATA ZOO)
讀賣新聞
【記事】 九州豪雨、死者18人に
- 活発化した梅雨前線の影響による九州地方の豪雨被害は12日午後のなってさらに拡大した。
- 土砂崩れなどで熊本県阿蘇市と同県南阿蘇村、大分県武田市の死亡者は計18人、行方不明は8人となった。
- 梅雨前線は九州付近で再び活発化する見通しであり、気象庁は13日も大雨になる恐れがあるとして、警戒を呼び掛けている。
(YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/)
朝日新聞
【記事】 豪雨死亡16人に
- 活発な梅雨前線の影響で九州南部は記録的な豪雨に見舞われ、熊本、大分の両県では計16人が死亡、10名が行方不明になっている。
- 12夜まで土砂崩れに巻き込まれた人たちの捜索や救助活動が続いた。
- 両県で約4万2千世帯に出された避難指示・勧告が続いている所もあり、住民は不安な夜を過ごした。
(朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/)
毎日新聞
【記事 豪雨死者17人に
- 熊本、大分両県を中心に九州地方を12日未明から朝にかけて襲った記録的大雨による被害は拡大した。
- 同日夜までに熊本県内で16人が死亡し10人が行方不明に、大分県内でも1人が死亡、1人が行方不明になった。
- 九州管区気象台によると、九州付近に停滞している梅雨前線は13日に再び活発化し、同日未明から昼にかけて再び激しい雨になる見通しであり、同気象台は新たな災害に対し厳重な警戒を呼び掛けている。
(毎日jp http://mainichi.jp/)
日経新聞
【記事】 シェールガス広がる商機
- 日本企業が新型天然ガスである「シェールガス」の関連事業を拡大している。
- IHIは米社の事業部門を買収し、ガスの精製・液化設備の設計・建設事業に算入。双日はガスの掘削に不可欠な希少金属バライトの権益を取得。住友ベークライトは採掘用素材のフェノール樹脂を3割増産。商社の伊藤忠商事、三菱商事、丸紅などはシェールがスン調達拡大に向けた権益取得に動いている。
- 世界で開発が進むのを見据え、生産設備や関連部材でも事業機会を探る動きが広がっている。
(日経Web刊 http://www.nikkei.com/)
【リグミの補足】 シェールガスに対する期待を高める記事です。一方で、シェールガスの開発に伴う環境への被害も考慮する必要があります。具体的には、
- 採掘に使用する化学物質による地下水汚染
- 採掘現場から漏えいするメタンガスによる健康被害、温暖化効果、ガス爆発リスク
- 大量の水を使うことによる地域の水不足リスク
等の問題が指摘されています。
(参照:日経ビジネスオンライン)
東京新聞
【記事】 100%再生エネ挑むぜよ
- 自然豊かな四万十川の源流域にある高知県檮原(ゆずはら)町が、再生可能エネルギーによる「電力自給率100%」を目指している。
- 風力発電機による四国電力への売電収入は年間3200万円となる。ここから維持費を差し引いた差益を太陽光パネルや小規模水力、廃材活用のペレットストーブなどの設置補助金として積み立てる。太陽光への補助金は発電能力1キロワット当たり20万円で、全国で主流の同5万円の4倍。「風力」が「太陽光」を生む独自の仕組みによって、家庭へのパネル普及率は全戸屈指の6%に押し上げた。
- 檮原町は、現在ある2基の風力発電機を将来は40基に増やしたい、と意欲を見せる。歴史上、明治維新へと奔走した坂本竜馬が通った脱藩の里としても知られた人口3800人の町が、エネルギー利用の変革に挑んでいる。
(TOKYO Web http://www.tokyo-np.co.jp/)
【リグミから一言】 檮原町は、「風早(かざはや)」という地名があるぐらいの強風が吹く地域だそうです(東京新聞)。小さな町の大きな志を応援致します。
(参照:雲の上の町 ゆすはら)