【リグミの解説】
東京五輪招致メンバーのプレゼンテーション
8日、日曜日の朝5時24分に寝床でネットニュースを確認すると、「2020年東京五輪決定」の文字が躍っていました。
IOCが決選投票の結果を発表した直後でした。日本の招致メンバーの最終プレゼンテーションの実況中継を見て、周到に練られた企画という印象を受けました。日本人が国際社会で持たれている一般的なイメージを変えるインパクトを持ったプレゼンテーションだったと思います。
9日、月曜日は新聞休刊日だったため、本日の朝刊で各紙は1面以下で大々的に報道しています。1面トップ記事で一番客観的かつ冷静な記述をしていたのは、毎日新聞であったと思います。また各紙は、今回の招致の成功の背景を分析する記事も掲載しはじめています。
国際的なコミュニケーション
海外企業との交渉などをするとき、自分たちの意志をはっきりと打ち出し、論理的に説明することが肝要です。曖昧にしていると相手は理解してくれません。同時に、感情を込め、人間性を打ち出すことが大切です。思いが通じる瞬間に国境はありません。信頼と共感の礎を作り上げられれば、交渉事は着実に前進していきます。
そのためには、相手を良く理解する必要があります。メッセージを打ち出す「発信」と、相手のニーズや思い、価値観、優先事項などを正確に理解し受け止める「受信」がうまくかみあうことで、初めて交渉事は成功するといえます。東京招致委員会は、2016年招致の失敗を良く分析し、捲土重来の戦略を上手に作り上げ、実行できたのだと思います。
失敗から学ぶ者が未来を創る
戦争体験や原発事故体験など、巨大で深刻な失敗に対して、日本人は思考停止する傾向があります。失敗から学ぶためには、事実を曇りのない目で起きたことの全体図を見つめるタフさが必要です。感情を押え、理性を働かせることで、起きたことの背景や原因が浮かび上がってきます。
今回の五輪招致の成功は、過去の失敗の規模が手に余るほど大きくなかったことも奏功したかもしれません。これを契機に、より大きな規模の失敗を冷徹に振り返り、未来の大きな成功を勝ち取る構想と戦略につなげていきたいものです。
大見得を実行する番
国際社会における日本人の自己表現は、ある意味、能楽のような抑制された感情表現であることが多いため、理解と共感に時間がかかるケースが少なくありません。今回の五輪招致プレゼンテーションは、歌舞伎のような派手さや直截な表現でIOC委員の心をつかんだように見えました。
とりわけ、福島第1原発の汚染水問題は「完全にコントロールされている」と“大見得”を切った安倍首相。「これは大舞台の演技だった」では済まされません。国際公約となった発言を、今度は国内で有言実行する番です。
（文責：梅本龍夫）
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http://mainichi.jp/sports/news/20130910ddm001050084000c.html
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http://www.nikkei.com/article/DGKDASDG0903R_Z00C13A9MM8000/
（日経Web刊 http://www.nikkei.com/）
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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013091090070324.html - 【司法広報】 「東電幹部・菅元首相ら42人 原発事故、全員不起訴 東京地検」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013091002000127.html - 【独自取材】 「8月『1回目で過半数も』 東京圧勝を検証」
（TOKYO Web http://www.tokyo-np.co.jp/）
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