2012.06.29 fri

新聞1面トップ 2012年6月29日

新聞1面トップ 2012年6月29日


【リグミの解説】 民主党の小沢氏の離党・新党結成に動きについて報道が続いています。小沢氏は、「消費増税反対」「原発再稼働反対」を旗印にすれば、国民の支持が得られると読んでいる、と報道されています。それに対して、各紙は緊急世論調査をしています。その内容は、小沢氏の離党・新党結成に対する否定的見方が大勢になっています。
 

読売新聞
【27-28日、RDD方式で電話調査。全国1765件中1065件の有効回答(60.3%)】

  • 「小沢氏の法案反対を理解できるか」 理解できる43% 理解できない48%
  • 「小沢氏らを厳しく処分すべきか」 厳しく処分すべき52% そうは思わない32%
  • 「小沢氏の新党に期待するか」 期待する16% 期待しない79%
     

朝日新聞
【26-27日、朝日RDD方式で電話調査。全国1872件中1043件の有効回答(55.7%)】

  • 「小沢氏の法案反対を支持するか」 支持する29% 支持しない61%
  • 「小沢氏の新党に期待するか」 期待する15% 期待しない78%
     

毎日新聞
【27-28日、RDS方式で電話調査。全国1803件中973件の有効回答(54.0%)】

  • 「造反議員は厳しく処分すべきか」 処分すべき57% 処分すべきでない34%
  • 「小沢氏の法案反対、新党結成を支持するか」 支持する24% 支持しない71%
     

全国の固定電話への調査ですので、世代別の状況などを正確に反映しているか、注意して見る必要がありますが、現在の民意として参考になります。
 

小沢氏は、これを参考にして、新党結成するのであれば、理念を高く掲げ、骨太な論理の政策と具体的な実施プログラムをマニフェストとして明示した上で行動してもらいたいと思います。「消費増税反対」「原発再稼働反対」という旗印を掲げるだけで民意を得られる、と見越しているとすれば、それはポピュリズムのそしりを免れません。
 

私たち一人ひとりは、民主党をはじめとする各党の本当の姿を良く見極め、国政を託すに値する政治家・政党を選択すべきです。衆愚とならず、衆知を発揮する成熟した民主主義への、それが第一歩となります。


讀賣新聞

【記事】 南鳥島沖でレアアース鉱床発見

  • LED照明や液晶テレビの部品、ハイブリッド車のモーターなどに使われるレアアースを含む鉱床が、小笠原諸島・南鳥島近くの海底にあることがわかった。加藤泰浩・東京大学教授らの研究グループが発見した。
  • 日本の排他的経済水域(EEZ)で、初めて大規模なレアアース鉱床が発見された。
  • 資源量は、日本の年間消費量(約3万トン)の220倍以上と見積もられている。

(YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/

【リグミから一言】 2010年9月に、尖閣諸島における中国漁船と海上保安庁の船舶の衝突事件に端に発した、日中政府のやりとりの中で、中国政府は突然レアアースの輸出制限を持ち出しました。世界のレアアース供給の95%が中国のため、日本政府の対応に大きな影響を与えました。今回発見されたレアアースは深海にあり、回収ハードルは高いと読売新聞は報じていますが、海底資源の実用化ができれば、資源確保のリスク分散が進むと期待できます。


朝日新聞

【記事】 小沢氏ら離党不可避

  • 消費増税関連法案に反対した民主党の小沢元代表は28日、輿石幹事長と会談し、法案の撤回を要求した。そして参院で法案が採決された場合は、離党せざるを得ないとの考えを伝えた。
  • 野田首相が法案撤回を受け入れる可能性はなく、小沢氏は週明けにも離党を決断する情勢だ。
  • グループの衆院議員約40人と、将来的には参院議員15名程度が同調する可能性がある。

(朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/


毎日新聞

【記事】 増税法案が参院採決されれば小沢氏離党

  • 消費増税法案の衆院採決で造反した民主党の小沢元代表は、輿石幹事長と会談し、参院に送られた法案の撤回を求めた。
  • その上で小沢氏は、参院で採決した場合には離党して新党を結成する意向を輿石氏に伝えた。
  • 小沢氏は、29日に改めて輿石氏と会談する方向だ。

(毎日jp http://mainichi.jp/

日経新聞

【記事】 海外からの配信サービスに消費税

  • 財務省は、海外からの電子書籍、音楽、広告などの配信サービスに消費税を課す方針を固めた。
  • 消費税法案が国会成立すると、2014年4月から消費税が8%に上がるが、早ければそのタイミングで同時に実施する。
  • ネット取引課税について、国内外企業の格差が解消に向かうが、海外企業への確実な課税について課題が残る。

(日経Web刊 http://www.nikkei.com/


東京新聞

【記事】 増税で暮らし重症化

  • 消費税が引き上げられれば、2016年の家計の負担増は2011年と比較して10万円以上となる。
  • 長引く景気低迷とデフレにあえぎ、無駄も削減できない現状は、人の体調に例えれば「肥満と血流低下に苦しむ慢性疾患」の状態といえる。
  • この症状のまま、消費増税という重荷を背負うことになれば、人々の生活は一層苦しくなり、日本経済の重しとなりかねない。


(TOKYO Web http://www.tokyo-np.co.jp/