【リグミの解説】 各紙は1面トップで消費税増税関連法案の衆院採決を迎えた民主党が、政権を取って以来最大の危機を迎えている様子を大きく報道しています。造反者が何人になるかで、各紙は情報収集に走っている様子が行間から滲みます。テレビを含むマスコミの報道合戦が議員たちを煽っている面もあるかもしれません。
今回の政局のテーマは、「党議員は党議拘束に従うのが当然」という組織論と、「消費増税を強行するのはマニフェスト違反」とする大義論の衝突です。
焦点は民主党執行部が造反者への処分をどうするかですが、その点が曖昧であるために、かえって造反者の数が増加する可能性が出てきていると思います。本当に実現したい理念と政策は何かという党としての「主義」を欠いた融和策は、かえって分裂を促進させることになるでしょう。
讀賣新聞
【記事】 小沢新党は民主党処分見極め判断
- 今国会最大の焦点である消費増税を柱とする税と社会保障の一体改革関連法案は26日、衆院本会議で採決される。民主党、自民党、公明党などの賛成多数で可決される。
- 民主党の小沢元代表のグループは、反対票を投じることに変わりはないが、離党・新党結成については、民主党執行部の処分を見極めて判断する方向だ。
- 民主党の造反は、小沢グループ以外も含めて60名を超える見通しとなっている。
(YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/)
朝日新聞
【記事】 民主党議員の離党検討40人超
- 消費増税関連法案は26日、衆院本会議で採決される。民主党、自民党、公明党などの賛成多数で可決される。
- 民主党の小沢元代表のグループに加え、鳩山元首相のグループと中間派の一部、あわせて57人程度が反対票を投じる意向。棄権・欠席の議員を含めると、造反者は60人台に上る見通しだ。
- 小沢グループは、処分を待たずに40人以上が離党を検討している。党執行部は、分裂回避ため、造反議員の処分を軽くする検討に入った。
(朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/)
毎日新聞
【記事】 民主党議員の反対55人前後
- 内容消費増税を柱とする社会保障と税の一体改革関連法案は26日、民主党、自民党、公明党などの賛成多数で可決され、衆院を通過する見通しだ。
- 毎日新聞の調べによると、民主党内で55人前後が採決に反対する意向を固めている。欠席・棄権を含む造反者は70人に迫る。
- 造反予定者の多くは離党の可能性を否定しているが、民主党会派289人の約4人に1人が造反する状況で、民主党は分裂含みの重大局面を迎える。
(毎日jp http://mainichi.jp/)
日経新聞
【記事】 民主党議員は60人超が造反の構え
- 内容野田首相が政治生命をかける社会保障と税の一体改革関連法案が26日、衆院で採決される。民主党、自民党、公明党などの賛成多数で可決は確実だが、民主党内は、棄権・欠席を含む造反者が60人を超える見通し。
- 反対を明言している小沢元代表は、採決後に自身のグループ議員と離党や新党結成を巡り協議する。
- 野田首相は25日に一致団結して賛成するよう呼びかけたが、民主党の分裂が現実味を増している。
(日経Web刊 http://www.nikkei.com/)
東京新聞
【記事】 福島原発事故時の官僚派遣が予定の半分
- 昨年3月の東京電力福島第1原発事故の際、対策拠点となった原子力災害現地対策本部(福島県大熊町)に参集するはずだった内閣官房と1府18機関の内、職員を派遣したのは1府4省の5機関に留まった。東京新聞の調べ。
- 東日本大震災対応を兼務していたり、経済産業省原子力安全・保安院に「不要」と言われたケースもあった。
- 震災と原発事故が同時に起きる複合災害を想定していない政府の原子力災害対策マニュアルの不備が明らかになった。
(TOKYO Web http://www.tokyo-np.co.jp/)
【リグミの補足】 各紙が民主党の造反一色のトップ記事の中で、東京新聞が「違い」を鮮明にしています。原発問題を追及する姿勢にぶれはないようです。民主党の造反の記事は2、3面に大きく取り上げられていますが、造反者の数の推測などはしていません。