【リグミの解説とコメント】 主要新聞は、本日の1面トップ記事またはセカンド記事として、関西電力大飯原発の再稼働決定と、それに絡む節電の見直しや、他の原発の再稼働への動きについて報道しています。
原発再稼働の是非は、文字通り「国論を二分するテーマ」です。新聞各紙の報道姿勢もそのことを反映しています。原発再稼働に賛成の人は、読売、日経、産経に掲載される再稼働を擁護する記事を読めば、「これがあるべき論調」と納得するでしょう。一方の原発再稼働に反対の人は、朝日、毎日、東京の批判記事を読めば、「政府の方針や動きはおかしい」と憤慨するでしょう。
各紙のスタンスをリグミの解釈も含めて概括します:
「再稼働賛成」
読売: 「国論を二分するテーマで、政治は迷走したが「決める政治」ができたことを評価する。もう迷走を繰り返してはならない」
日経: 「原発立地県と消費府県の亀裂を生じたが、大飯原発以降の再稼働準備も動きだしたことを評価する」
産経: 「原発再稼働を決めたのに、脱原発依存について言及し続けるのは政府の迷走だ。政府は一刻も早く原発の必要性を明示せよ」
「再稼働反対」
朝日: 「日本は一体いつまでどれだけの原発が必要なのか。政府は原発依存社会に戻すつもりなのか。福島原発事故という大きな犠牲を払って、不変の政策を変えるべき時だ」
毎日: 「学びの証は変わることだ。原発と安全規制の現状を見る限り、政府も原発実務家も原発事故から何も学んでいない。「絶対安全神話」への逆行が進んでいる」
東京: 「一握りの政治家により、福島の事故がやすやすと忘れ去られようとしている。これはデモクラシーの軽視だ。国民的議論を行うことが再稼働の先行すべきだ。原発に頼るべきでない理由は、人の命と健康は経済性に優先するからだ」
代表的な6つの新聞の報道スタンスが3紙ずつ「再稼働賛成」と「再稼働反対」に分かれていることも、国論二分を象徴しています。その内容を大雑把に整理すると、現実優先の賛成派と理念優先の反対派となります。
現実は理念があってより良い現実となります。理念は現実を織り込むことで具体化します。ここで必要なことは、現実と理念の歩み寄りです。そして息の長い総合的な議論です。そのための前提は、原発再稼働が現実として必要ならまずは短期に留めることです。「電力需要のピーク時対応に限定した再稼働」が当面の結論であるべきです。その上で本当の国民的議論を一層続けることです。
讀賣新聞
【記事】 認知症の早期在宅ケア
(YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/)
朝日新聞
【記事】 節電目標の見直し
(朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/)
毎日新聞
【記事】 大飯原発再稼働へ作業着手
(毎日jp http://mainichi.jp/)
日経新聞
【記事】 つぎの再稼働候補に泊・川内・志賀
(日経Web刊 http://www.nikkei.com/)
東京新聞
【記事】 再稼働決定強行
(TOKYO Web http://www.tokyo-np.co.jp/)