【リグミの解説】
日経新聞の定例世論調査が掲載されました。
安倍内閣を支持率
支持する 68%(前回76%) 支持しない 19%(前回16%)
前回の支持率が他紙調査と比較しても突出していたので、今回の数値は支持率低下というよりも、平均値に近づいたと解釈できます。
安倍内閣の経済政策に対する評価
評価する 62% 評価しない 18% どちらともいえない 9%
安倍内閣支持のカギとなる経済政策への高評価は続いています。
安倍内閣の経済政策で景気の回復を実感しているか
実感している 22% 実感していない 66% どちらともいえない 4%
ただし、3分の2以上の人々が「景気回復」を実感しているわけではなく、心理的な期待先行の構造は変わっていません。先週後半に起きた日経平均株価の急落・株価乱高下が、今週以降どういう展開を示すかがひとつの試金石となりそうです。
憲法96条の規定を緩和することについて
賛成だ 34 % 反対だ 41% どちらともいえない 9%
憲法の話は「難しい」ので、多くの人は話題にするのを避け、関心を向けてきませんでした。新聞紙上で憲法に関する記事が毎日のように掲載されても、多くの雑誌はほとんど話題として取り上げないことも、憲法が扱いにくいテーマだからだといいます。そんな中、安倍内閣・自民党が改憲論議を仕掛けた思わぬ効用として、「憲法は国民に義務を課すものではなく、時の権力者を縛るためのもの」という立憲主義の意味が肌感覚としてわかるようになったことが挙げられます。
日経の世論調査でも、憲法96条の規定緩和については、反対が賛成を上回っています。ただ、ここでの質問は「憲法96条では憲法改正に向けてまず衆議院、参議院それぞれで3分の2の賛成が必要だと定めています。あなたはこの規定を緩和することに賛成ですか、反対ですか。」というものです。「96条の先行改定」が争点となる中、「96条改定は賛成だが先行改定は反対」と「96条改定そのものに反対」が区別できません。この違いは非常に大きいので、今回の日経の数値はあくまで参考値とすべきだと思います。
安全が確認された原子力発電所の再稼働の是非について
賛成だ 30% 反対だ 52% どちらともいえない 9%
反対が過半で賛成を大きく上回っていますが、この意味も良く検討する必要があります。私たちは原発について、「どんな“感じ方”をしているのか」「どんな”考え方”になってきたのか」。そのことが問われているからです。
読売新聞の5/26(日曜)のコラム「地球を読む」で葛西敬之・JR東海会長が、「情緒的な原発反対論の終着点が失業の増加と国民の貧困化だという事実を人々が知れば、論理的な帰結として原子力の利用を選択するだろう」と主張しています。しかし、理由づけとして挙げているのは、「3兆円の化石燃料代」「シェールガス、天然ガスは原子力の代替とならない」「太陽光、風力などは高コスト」といったものです。
原発論議は、粗雑なものが多いという1つの事例だと思います。「論理的」に何がより妥当な選択肢かを議論するためには、「今の損得」と「未来の在り方」を一連の流れで論じる必要があります。「未来」は自動的に来るものでも、予定されたものでもありません。「未来」は、私たちの意志と努力の総和としてもたらされるのです。「情緒的な原発反対論」が多くあるのは事実です。同時に、論理的と見せて、その内実は「情緒的な原発推進論」も少なくありません。
ここで大事なのは、「情緒を排除して論理的な議論をしよう」ではありません。「情緒には論理の骨組みを」、「論理には情緒の血肉を」結合することこそ、最も基本とすべき姿勢です。情緒と論理に「ずれ」がある限り、どんな選択肢、どんな結論も、「本物の決意」とはなりません。政府・自民党は、原子力エネルギー政策の根本議論に正面から向き合うべきです。「情緒」と「論理」に折り合えをつけ、骨太で活力ある血肉をつけた身体(国家)を作ることが政治の責任です。
(文責:梅本龍夫)
- 【独自取材】 「農産物、中国に本格販路 丸紅、香港で集配1000億円規模 政府『輸出倍増』戦略弾み」
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- 【独自取材】 「チェルノブイリの1/30 福島事故、国民全体の甲状腺被曝量 国連委報告案」
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- 【独自取材】 「投票率50%の壁 35.17%、小平住民投票、不成立 都の道路計画、賛否は」
- 【政府広報】 「ミャンマーに910億円供与 日本、インフラ支援 首脳会談で表明」
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- 【独自取材】 「直接参加低調、声聞けず 小平氏住民投票不成立 投票率50%要件下回る」
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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013052601001828.html
(TOKYO Web http://www.tokyo-np.co.jp/)
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