【リグミの解説】
「待機児童」とは
「待機児童」の定義はどうなっているのか、素朴な疑問がありました。本日の東京新聞1面トップ記事を見て、あいまいな定義で各自治体が対応していることがわかりました。
東京新聞は、東京23区と横浜、川崎、相模原、千葉、さいたまの5市にアンケート調査をしました。定義の「違い」がわかりやすい例として、目黒区と豊島区が挙げられます。
「預け先なし」
目黒区は、「児童の預け先が見つからず、職場に連れて行く」場合のみを「待機児童」と定義しています。
これに対して豊島区は、児童の預け先が見つからず、①「職場に連れて行く」②「育児休業を延長する」③「仕事を辞める」④「内定した仕事を辞退する」⑤「引き続き求職活動をする」―の5つのケースすべてを「待機」としています。
「預け先あり」
さらに、預け先が見つかった場合の定義も大きく異なります。
両区とも①「都認証保育所に入所」②「市区の保育所に入所」③「保育ママを利用」は、「待機に当てはまらない」は同じですが、④「ベビーホテルに入所」⑤「その他の認可外保育に入所」⑥「幼稚園の預かり保育を利用」⑦「一時保育を利用」が違います。
目黒区は④~⑦も「待機に当てはまらない」ですが、豊島区は「待機に当てはまる」としています。
目黒区と豊島区の「実態」
これだけの「定義の違い」があり、目黒区の待機児童数は143人、豊島区は129人です(昨年4月段階の公表数)。実態はどうなっているのでしょうか。そもそも「実態」の定義があいまいなままでは、つかみようがありません。ちなみに、東京新聞が「今年4月認可保育所に入れない人数」を調べたところ、目黒区が796人、豊島区は504人でした。
経済再生と少子化対策の柱
安倍政権は、日本の経済の再生のためには「女性の活用が必須」とし、政府の成長戦略の柱のひとつに挙げています。しかし、保育の環境が整わないために働けない女性がたくさんいる実態を正しく把握できないと、成長戦力の図式も正確に描けません。
そもそも、保育の環境が整わなければ「子育て」が困難と諦める夫婦も少なくないと思います。少子化対策の基本として、「待機児童」問題を正確に定義し、全体観をもって対処することが求められます。
(文責:梅本龍夫)
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3. 【解説記事】 「国のあいまい基準問題」
- 「待機児童について自治体の判断がばらつく原因は、厚生労働省の定義のあいまいさにある。厚労省も「待機」の判断を事実上、自治体の判断にゆだねている。
(TOKYO Web http://www.tokyo-np.co.jp/)
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