2013.04.18 thu

新聞1面トップ 2013年4月18日【解説】考えや見方が異なるからいい

新聞1面トップ 2013年4月18日【解説】考えや見方が異なるからいい


【リグミの解説】

本日の社説の傾向
みなさんにとって、最近注目のニュースは何でしょうか。新聞の公式的な関心事項は、各紙の社説に表れます。本日の社説のタイトルを比較します。
 
読売: 「手詰まり感漂う海江田民主党 党首討論」
            「市街地イベント警備の点検を ボストン・テロ」
朝日: 「堂々巡りはうんざりだ 格差是正」
            「司法の変化が見られない 大飯原発」
毎日: 「民主は議論を避けるな 党首討論」
            「消費者のために必要だ 集団訴訟制度」
日経: 「課題解決に役立つ国会論戦に期待する」
            「救済のあり方問う水俣病判決」
東京: 「経済政策の追及が甘い 初の党首討論」
            「不屈の闘志を支えたい スー・チーさん」
 
5紙ともに取り上げたのが国会での党首討論。特に筆頭野党の立場の民主党の海江田代表の姿勢の甘さを批判するトーンが目立ちます。「アベノミクス」を具体的に追求すべきなのに一般論の質問で終わっている、「憲法改正」の是非を論戦すべきなのにそのテーマに触れない、というものです。
 
民主党の凋落に対する「セカンドビュー」
自民党が勢いを増し、民主党の地盤沈下が止まらない。こうした状況に対して、毎日の専門編集委員の倉重篤郎氏は4月17日の総合面に「民主党に『喝っ』」という論説を掲載しています。
  • 民主党は党分裂の犠牲を払って消費増税法を成立させたことが「アベノミクス」を展開できる基盤になっている
  • 民主党には「保守リベラル」と「社会民主主義」を発展継承できる人材がいる
  • 地方組織がしっかりし繰越金も150億円ある
  • そして政権経験で統治技術も学んだ―
としています。参考になる「セカンドビュー」(世の中の大勢と異なる見方、考え方)です。
 
民主党の再生は、日本の政治のバランスとして大事だと思います。世の中が雰囲気で一定の方向に流れないように、多様な「ビュー」(価値観や考え方)を提示し、建設的な対話をする必要があります。党首討論は国民の知恵をぶつけ合う場です。民主党はいつまでも落ち込み、迷走しているのでなく、早く骨のあるところを見せるべきでしょう。
 
2つの「大きなビュー」の対話
そうした中、東京新聞が1面3番記事で伝えた「96条改正反対で議連」は参考になりました(記事要約参照)。他紙が総じて、自民党の安倍首相や日本維新の会の橋本徹・共同代表の改憲論を中心に報道するのに対して、民主党の辻元清美衆院議員らが超党派の議員連盟を発足し、対抗的な動きをしようとしていることを有権者が知る価値は小さくありません。
 
多様な「ビュー」が互いに接点を求めて対話を重ねるのが、成熟した民主主義の在り方です。健全な野党の存在が政治を育てます。民主党は、自党のブランドの再生を図ることが、国民にとって価値あることなのだと自覚し、自信を取り戻して欲しいと思います。昨今のマスコミは、「二大政党制」のことをすっかり忘れ去っていますが、成熟した民主主義の基本は、2つの「大きなビュー」の対話にあることを思い出す必要があります。

(文責:梅本龍夫)





1. 【政府広報】 「日本の医療、丸ごと輸出」

  • 政府は17日、「日本式の医療」を東南アジアなどの新興国にパッケージで売り出す方針を固めた。医療産業を成長分野に育てる意図がある。


2. 【独自取材】 「首相『0増5減』協力要請」

  • 安倍首相は民主党の海江田代表に対して、衆院小選挙区定数の「0増5減」の区割り法案の先行処理に理解を求めたが、海江田氏は定数削減を含む抜本対策を主張し、拒否した。


3. 【発表引用】 「米大統領に猛毒送付か」

  • 米大統領にあてられた封書の中から「疑わしい物質」が見つかった。AP通信によると、FBIの初期検査で猛毒リシンが検出されたという。


(YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/
 





1. 【独自取材】 「TPP『全品目交渉を』」

  • TPP交渉参加表明をした日本に対して、農業国のニュージーランド、オーストラリア、カナダが「全品目が交渉対象」と求めており、農産物の関税を守りたい日本への包囲網となる恐れもある。


2. 【独自取材】 「米大統領にも猛毒封書」

  • FBIは17日、オバマ米大統領宛の封書の初期検査で、猛毒リシンの陽性反応が出たと発表した。テロの恐れもあり、ワシントン全域で厳戒態勢を敷いている。


3. 【政府広報】 「就活解禁、大学3年」

  • 安倍首相は、大学生らの就職活動の解禁時期を、現在の大学3年生の12月から3年生の3月に3ヵ月後ろ倒しし、学業への影響を緩和するよう経済界トップに要請する方針だ。


(朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/
 





1. 【独自取材】 「元裁判員、ストレス障害」

  • 裁判員を務めた60代女性が、遺体画像が原因で「急性ストレス障害(ASD)」と診断された。女性は、裁判員制度の見直しと慰謝料を求める国家賠償訴訟を起こす構えだ。


2. 【独自取材】 「道徳に教科書導入へ」

  • 下村文科相は、政府が進める「道徳の教科化」について、教員免許制度は創設せず、「研修を受ければ教えられるようにしたい」との考えを明らかにした。


3. 【独自取材】 「日中韓首脳会談延期」

  • 例年5月に開催される日中韓首脳会談が延期される。尖閣諸島を巡る対立で、中国が難色を示したため。開催のめどは立っていない。


(毎日jp http://mainichi.jp/
 





1. 【独自取材】 「B787、運航再開へ」

  • 米連邦航空局は、運航停止中のB787の運航再開を月内にも認可する方針だ。これを受けて、国土交通省も787の運航再開を認める方針。全日空、日航は6月にも営業再開する見通し。


2. 【政府広報】 「物価2%へ道筋明示」

  • 日銀は26日の金融政策決定会議で、2014年度の物価上昇率の見通しを、従来の0.9%から1.5%前後に上方修正する。また2015年春にも2%に達すると明記する。


3. 「円安、内需拡大の契機に」

  • 円安を契機に企業が国内生産を増やす決断をするためには、内需の拡大が必要だ。携帯からスマホへの転換のようなイノベーションを発揮できれば、円安メリットの浸透が早まる。


(日経Web刊 http://www.nikkei.com/
 





1. 【連続企画】 「反対も賛成も自分たちで ~東京・小平発、政治に声を(下)」

  • 都道計画をめぐる東京・小平市の住民投票署名は、必要法定数の3千人に対し7千を超える有効署名が集まった。住民らの挑戦は、住民投票に向けて本格的に動きだした。


2. 【独自取材】 「『保育の質、下げないで』」

  • 東京都と愛知県の5つの保護者グループは17日、政府が待機児童対策として認可保育所の基準緩和を議論していることに対し、「求めているのは子供の詰め込みではなく、安心して預けられる保育の拡大」とする意見書を内閣府と厚労省に提出した。


3. 【独自取材】 「96条改正反対で議連」

  • 民主党の辻元清美、近藤昭一衆院議員らが発起人となり、憲法96条改正に反対する超党派の議員連盟が近く発足する。「権力を縛る憲法を、権力側が変えやすくすることの問題点を訴えていく」という。


(TOKYO Web http://www.tokyo-np.co.jp/
 




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