新潮45 2012年4月号 湯川玲子 「男」から逃げ出す男たち | |
女化する社会
今月号の新潮45の特集は「女のひとり勝ち」。
その中の湯川さんのエッセーで、
ある人物をこんな風に描写しています。
1. したいことしかしない 2. 目的のためには手段を選ばない 3. 気まぐれ 4. 感情的 5. 子供っぱい 6. 勘に頼る 7. スピリチュアル好き |
これ、誰のことかわかりますか?
今や世界中で、稀代の経営者として称賛されている
スティーブ・ジョブスの特徴を
かつての部下たちがぼやいた内容なんです。
一読して、こいつは、
「スティーブ・ジョブス7ヶ条」だな!
と納得しました。
ジョブスは、TVドラマに登場する、わがままで未熟な
女社長そのもの。
「ラクでトクで将来性もあって、本音で楽しい。
世界は女化するのを止められないようなのだ。」
と、湯川さんは言います。
女性が社会のいろいろな場面で颯爽と活躍したり、
生活をエンジョイしている中で、
伝統的な男性像がすたれ、「男の女化」も着実に
進んでいるのかもしれません。
男が支配してきた世界に、確かに何か大きな変化が
訪れています。
「ガラスの天井」
でも日本の企業社会では、男たちが自分たちの城
の門をしっかり閉じて、女性の進出を食い止めようと
しているように見えます。
一例として、管理職に占める女性比率は、
2008年にデータのある57カ国の平均で30%
であるのに対して、日本は、
係長級で14%、課長級で7%、部長級で4%です。
この数字を見ると、日本の企業における女性幹部の
登用レベルはたいへん見劣りがします。
女性活用の国際比較=大和総研 2012/03/12(月) 09:55:10 [サーチナ]
今の時代、女性がすごく元気で、湯川さんが言うように
「男の女化」が止まらないのだとすれば、
旧式の男の論理がいまだに職場で幅を利かせて
いるっていうのは、迷惑な話です。
今どき男女の昇進について、規制があるとは思えないのに、
「ガラスの天井」があるように見える状況が続いているのは、
なぜなんでしょうか。
「男の問題、女の問題」
ひとつは、シニアな世代の男性たちが、まだ社会の
一線での影響力を維持していることがあるでしょう。
ある30代の働く女性は、
「あと10年もすれば、ガラスの天井をつくってきた 差別的なオジサマ達は企業社会からいなくなるから、 時間の問題かな、という気がしています。」 |
と言っています。
そういえば、男女共同参画社会基本法ができたのが
1999年ですね。
若い世代の男性たちは、男女共同参画社会を当たり前
と感じているのかもしれません。
するとやっぱり問題はおじさん世代か?
いやいや、問題はそう単純でもなさそうです。
というのは、相変わらず大変なのは女性の方で、
ちょっと複雑な事情を感じるからです。
女性は、働いて、結婚して、子供ができて、と
ライフステージが激変するもの。
職業人として、妻として、母親として、何役も
しっかりこなさなければ、というプレッシャーもあります。
男女共同参画社会の実現をめざすときに、実は、
どの世代でも専業主婦と働く主婦の静かな対立が
問題になったりもします。
「男女共同参画社会の実現=女性の意識改革」
という側面があるのは、否めない気がします。
男の本音は?、女の本音は?
結局、男も、女も、本当は世の中、
どうなったらいいと感じているんでしょうか。
そこでまず、世の男性たちに質問です。
今まで自分たちが作り上げてきた世界の
論理や不文律が通用しない世界を
「こわい!」と思いますか?
それとも女性たちがイキイキと活躍する社会を
「面白い!」と感じますか?
つぎに、世の女性たちに質問です。
今までと同じように、世の中の面倒なことは
男性陣に任せておいた方が
「楽でいい!」と感じていますか?
それとも自分たちのイニシアティブを発揮できた方が
「楽しい社会になる!」と思いますか?